内容説明
これまでに明らかになった冤罪の原因、司法の構造的分析とその解決、救済を丹念に解析した〈冤罪〉構造を知るために必読の書。
木谷 明(元東京高裁部総括判事、弁護士)氏推薦!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だまし売りNo
43
第3章「冤罪予防論」は冤罪を防ぐための方法を議論する。「組織的・集団的な冤罪予防」は日本の警察や検察が最もできていないことである。大阪地検特捜部は郵便不正事件で違法な取調べを行って村木厚子さんを冤罪被害者にした。その10年後のプレサンスコーポレーション事件でも大阪地検特捜部の検事は、被疑者に対して、強く机を叩く、大声で怒鳴り続けるという違法な取調ベを行い、これを裁判所は「陵虐」と認定した。プレサンス事件は第二の村木事件と呼ばれるように体質は変わっていない。2024/02/01
おやぶたんぐ
6
元裁判官の若き弁護士(プレザンス事件の弁護人でもある)の手になる一冊。冤罪を学問として研究するべく、体系的な検討を試みている。中核となるのはやはり冤罪の原因であり、その分析に認知心理学や社会心理学の知見を広く取り入れているのが売りか。思うに、少なくとも刑事裁判に関わる法曹(法律家)であるなら、この本に出てくる知見程度は最低限把握していなければならない、と思う。重大事件で虚偽自白をするはずがない、弁解が嘘だから犯人は被告人、共犯者自身の裁判は終わっているから、被告人も一緒にやったとの証言は信用(以下コメ欄)2024/08/22
takao
4
ふむ2024/05/11
水海 瞬
2
”冤罪”という問題を俯瞰的に捉えた論。法曹関係者以外にも広く読まれてほしい。2024/02/10