ちくま学芸文庫<br> 外政家としての大久保利通

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ちくま学芸文庫
外政家としての大久保利通

  • 著者名:清沢洌【著者】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 筑摩書房(2024/02発売)
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  • ISBN:9784480512154

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内容説明

明治7(1874)年、日本の台湾出兵に清国が抗議、北京で二国間交渉がもたれた。大久保はこの北京談判で全責任を負って困難な交渉にあたり、その手腕を発揮して清国の譲歩を勝ち取る。旧友西郷隆盛と対立して朝鮮出兵を封じた大久保が、後に台湾出兵を進めたのはなぜか。北京談判での大久保の冷徹な現状認識、粘り、そして強い責任感と信念。征韓論争から北京談判まで、手紙や日記等豊富な史料をもとに、内政家として語られてきた大久保利通の外交を評価する。「明治の政治家はかつて責任を回避することを知らなかった」。本書には、太平洋戦争下の現実政治に対する、著者の鋭い弾劾が秘められている。

目次


第一章 征韓論を中心に
一 大久保の外交機略
二 大陸主義と内治主義
三 外遊による心境の変化
四 財政と政治の調和
五 西郷の身を思う
六 西郷、大久保の対立
七 身命を賭する閣議の激論
八 征論の理論的根拠
九 大久保の内治主義の理拠
一〇 大久保第一線に起つ
一一 西郷故山に還る
第二章 征台を敢行するまで
一 自ら清に使いす
二 対外思想の進化
三 琉球帰属問題解決の必要
四 米人顧問の進言
五 閣議、征台を決す
六 英国公使パークスの横槍
七 米国公使の抗議
八 西郷従道、命を聴かず出発
九 大久保責任を一身に負う
一〇 紛糾する英米との交渉
第三章 日清間の予備交渉
一 征蕃派軍と国内事情
二 外人記者の日本軍隊観
三 台湾における西郷とその軍隊
四 柳原と清側との交渉
五 廟議積極論に一決す
第四章 全権弁理大臣として
一 大久保の決意と重臣の反対
二 広大なる権限と準備
三 大久保の出発と国内事情
四 外人顧問ル・ジャンドル
第五章 北京談判の行詰り
一 大久保の交渉政略
二 談判、破局に瀕す
三 英仏米その他の動き
四 清に妥協の色
五 日本国内の動揺
六 談判不調、帰国に決す
第六章 交渉妥結に到る
一 英国公使ウェードの調停
二 ウェードの本国政府への報告
三 清側の経過報告書
四 談判中の大久保の心事
五 パークスの征台観
六 在清外人の交渉批判
第七章 大久保の心事と政策
一 天津にて李鴻章と論ず
二 成果に対する賛否の対立
三 樺山資紀の交渉観
四 償金の返還を主張す
五 故国の熱狂的歓迎
六 御下賜金で新築
七 外政家大久保の存在理由
附録
大久保弁理大臣ノ復命書
使清趣意書
外政家 大久保利通略年譜
後記
中公文庫版解説(村松 剛)
ちくま学芸文庫版解説(瀧井一博)
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

74
著者清沢冽は戦前の政治評論家・ジャーナリスト。軍国主義の時勢において尚、自由主義的愛国者として孤高の言論を堅持。本書を戦時下1942年刊、終戦目前45年5月急逝。戦時下に密かに書き続けた『暗黒日記』でも知られる。明治維新の大立者に薩摩の西郷隆盛と大久保利通がいる。鹿児島での人気は断然西郷ドンにあり大久保は郷土の偉人でありながら非難されることさえ。だが西郷は破壊の人、建国の国家運営は大久保でなければならなかった。今は内政の時と征韓論の竹馬の友・西郷を排するが、後に琉球島民が台湾藩地に漂着・暴殺された件を⇒ 2023/11/24

つじー

1
清沢洌は本当に好きな人物。おすすめ。感想はnoteに。 https://note.com/nega9clecle/n/n69dbcb552f122023/10/14

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