つながりを、取り戻す。

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つながりを、取り戻す。

  • ISBN:9784893089649

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内容説明

~家族を壊したのは、母の意思ではなく、アルコール~

物心ついた頃から母親は一日中お酒を飲んでいた。
両親は毎晩ケンカをしていた。
家族がうまくいかないのは、
母親の酒のせいだと気が付いた福岡雅樹少年は、
学校から帰るたびに母から酒を取り上げ、シンクに流していった。
それでも母親は酒をやめられず壊れていく。
ある日少年は、母親から性的虐待を受けた。
まだ幼かった少年は、それが罪だとも知らずに母を受け入れた。
その後、両親は別居。母は亡くなった。
母を奪ったアルコールが憎かった。
だけど少年は大人になり
自分も母と同じ病気になってしまう。
そこからどのようにアルコール依存症を克服し、現在に至るのか?


依存症を支援し続けるソーシャルワーカー・斉藤章佳と、
依存症の回復を模索し続ける医師・竹内達夫との
「語り」から見えてきた、
この冷たい日本を生きていくための処方箋!

「悪いのは母親ではなく、この液体なのだ。
 この液体が、母をモンスターにしてしまったのだと……
 その後しばらくして、両親は離婚しました」
―――福岡雅樹

「この疾病は決して〈自業自得〉でも、〈自己責任〉でもないのです。
 本当に嫌な言葉ですよ。最近流行の〈自己責任〉というのはね」
―――竹内達夫

「自己責任だと断罪する国というのは
 カミングアウトしにくいですし、助けを求めにくい世界です。
 それよりも〈回復責任論〉を大切にしたいと思っています。
 これは、依存症という病気になった責任は個人にはないけれど、
 そこから回復に取り組む責任はあるよ、という考え方です」
―――斉藤章佳