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内容説明
できればこの不安の根源となる「わからない世界」には、お引き取り願いたいものです。この先に何が起こるか、どんなリスクがあるのかきちんとわかれば、ずいぶんと私たちの選択は容易になることでしょう。科学がいつの日かこの世のすべてを解き明かしてくれる、そう信じたい気持ちもあります。でも、恐らくそんな日は来ないし、それをただ待ち続けるような心の在り様も何か少し違うのではないか、私はそう思うのです。(「はじめに」より)
目次
はじめに/第一部 空に吸はれし十五の心/「バンジージャンプ」が飛べない君へ/「魔法」の使い方/評価の憂鬱/「 」の魔力/あなたの心の中心は?/第二部 私たちの社会の行方/日本人のルーツ/“水”のようにしなやかに/「モグラ」の心意気/「美しさ」の光と影/ヒトと人のあいだ/日本の未来/第三部 科学と非科学のあいだで/UFOは非科学か/ベターな選択/組織化の起源/迷惑でいびつな生命/落ちてくる卵焼き/幸福な時間/あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっちゃん
42
2024~2026年の中学入試に一番出題された本ということで読んだ。生物の話を絡めながら不確実の時代をどのように考えていけばよいか人生についてのエッセイ。様々な話が含まれるが、中高生を対象とした新書なので、1つ1つは短くまとまっていてわかりやすかった。特に第1部”空に吸はれし十五の心”が良かった。2026/06/10
ちくわ
37
中屋敷先生の本も三冊目である。既刊とは異なり、専門的な知識が無くとも理解出来る内容が多く、一方でメッセージ性が強めでエッセイに近い趣きがある。以下、私見だが…理系の研究者って、未知の法則を見い出したり、新たなモノを創造するのが仕事なので、視線の先は往々にして真っ暗な未来(≠鮮明な過去)である。そんな不安だらけな場所を手探りで進まなければならないからこそ、自分の中に確固たるコアと言うか信念を持っていないと続けられない。研究って『信じるしか無い』部分も多いんだよね。宗教と紙一重だと感じる事も多かったなぁ…。2025/07/09
よっち
37
この世は思いもよらないことが起きる。理屈通りに物事は進まないし、予測もコントロールも難しい…。自分を偽らず、生き生きとした人生を送るために大切な心構えを伝える一冊。リスクのない選択をしたいと思うようになると何も選べなくなってしまう、自分で選択した選択をベストにするよう生きていく覚悟が肝要で、評価の俎上に載せられることを忌避する思いに対する数値評価の客観性、生物は環境に対してある程度慣れを持ちやすいこと、歴史や科学も意識しながら、そういう中でベターな選択を意識してきた著者さんの生き方がなかなか印象的でした。2024/02/28
まゆまゆ
20
科学の力も及ばない、先を見通せず自分の思い通りにならないこの世界にどう向き合っていくかを語るエッセイ風の内容。見えないものと向き合うことにこそ生きている意味があるのでは。どんな選択をしても、それに伴うリスクが必ず存在する。絶対正しい選択などないのだから、恐怖に耐え自分の責任で選んだ何かをベストにするように生きていく覚悟を持て。2024/05/02
とりから
11
生物学者が科学と日常を反復横跳びしながら世界の捉え方を語る。膜の内部に特有の空間を保持することが生の条件であるとする代謝起源説が興味深かった。また、ソメイヨシノは自然な交配ではなく、挿し木や接木によって増殖されている、というのも初耳。もしこの世界に膜がなく全てが溶け合っていたら、あるいは完璧な内側しかなかったら、あの桜のように自分と同じ存在しかいなかったとしたら。それは分かりやすい代わりに脆い。「分からないこと」の根源には、自分と分かたれた“外側”がある。生物にとって不確実性は脅威でもあり、希望でもある。2026/02/07
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