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内容説明
できればこの不安の根源となる「わからない世界」には、お引き取り願いたいものです。この先に何が起こるか、どんなリスクがあるのかきちんとわかれば、ずいぶんと私たちの選択は容易になることでしょう。科学がいつの日かこの世のすべてを解き明かしてくれる、そう信じたい気持ちもあります。でも、恐らくそんな日は来ないし、それをただ待ち続けるような心の在り様も何か少し違うのではないか、私はそう思うのです。(「はじめに」より)
目次
はじめに/第一部 空に吸はれし十五の心/「バンジージャンプ」が飛べない君へ/「魔法」の使い方/評価の憂鬱/「 」の魔力/あなたの心の中心は?/第二部 私たちの社会の行方/日本人のルーツ/“水”のようにしなやかに/「モグラ」の心意気/「美しさ」の光と影/ヒトと人のあいだ/日本の未来/第三部 科学と非科学のあいだで/UFOは非科学か/ベターな選択/組織化の起源/迷惑でいびつな生命/落ちてくる卵焼き/幸福な時間/あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
この世は思いもよらないことが起きる。理屈通りに物事は進まないし、予測もコントロールも難しい…。自分を偽らず、生き生きとした人生を送るために大切な心構えを伝える一冊。リスクのない選択をしたいと思うようになると何も選べなくなってしまう、自分で選択した選択をベストにするよう生きていく覚悟が肝要で、評価の俎上に載せられることを忌避する思いに対する数値評価の客観性、生物は環境に対してある程度慣れを持ちやすいこと、歴史や科学も意識しながら、そういう中でベターな選択を意識してきた著者さんの生き方がなかなか印象的でした。2024/02/28
みさと
4
この世には「わからないこと」や「自分がコントロールできないこと」が多くあるが、それもこの世界の重要な一部。そして「絶対に正しいこと」もない。その中でどう生きていくかを語る老生物学者のエッセイ。リスクをゼロにすることはできず何も正解がない。かといって自分で選択することをせず他人に委ねてしまえば、支配されてしまう。ではどうする?生物学者らしく生物のあり方から手がかりを探る。その視点がユニーク。転校後、今に至るまで会うことができなくなったこども時代の親友と野山を駆けずり回った思い出は、読んでいて胸が熱くなる。2024/04/16
トト
3
サイコロのように何が出るかわからない世界を生き抜く為、リスクとベネフィットを天秤にかけ、自分の判断でベターな選択をする、ことについて実体験と科学的見地から語ったエッセイ。具体的な指針があるわけでないが、単純な勝ち負け以外の大切さについて、優しく伝えてくれる。冒険心溢れ優しく平和的な種族が、戦闘的で組織的な種族に駆逐されてきた人類史の中で、生き残った数少ない縄文人の特性を継ぐ日本人のルーツの話とか、嘘を付くことの善し悪しとか、ルールを守るべきか否か・・・。とにかく読後にちょっと前向きになれる本です。2024/03/07
haru
0
生きていく上で本当に大切にすべきものはなんなのかを考えさせてくれる本。2024/02/22