内容説明
参戦各国の指揮官や参謀たちは、いかなるエリート教育を受けたのか。どの国も腐心したリーダーシップ醸成の方策とは何なのか――。「指揮統帥文化」という新たな視座から、日米英12人の個性豊かな人物像と戦歴を再検証。組織と個人のせめぎ合いの果てに現れる勝利と敗北の定理を探り、従来の軍人論に革新を迫る野心的列伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
60
表題にはやや疑問が残るが、どちらかというとシェンノートやウィンゲート、日本では酒井鎬次といった、ある種異色な軍人まで取り上げた小評伝集。パーシヴァルと山下泰文の両者が取り上げられていたり、ガダルカナル絡みの第一次ソロモン海戦にかかわる三上軍一、神重徳、ヴァンデクリフト(海兵隊でガダルカナル守備隊指揮官)を並べているなど、つながりも配慮されているようだ。著者は小説もものしていただけあって文章が読みやすく、一方できちんと調べて、分からないことはそのように書くので信頼も置ける。さらなる続編を期待する。2024/04/07
MUNEKAZ
14
太平洋戦争で活躍した日米英の12人を紹介した一冊。雑誌連載が基のようで、一人一人の内容はコンパクトにまとめられており、サクサク読める。ビッグネームの他にもシンガポールで降伏したパーシヴァルやフライング・タイガースを率いたシェンノートら、日本ではなかなかフォーカスされないような人物の評価を読めるのが、本書の良いところ。ただ著者がウリにように語る日本軍の「コマンド・カルチャー」はちょっと腰砕け。縷々上げられる欠点は、これまでも散々言及されてきたようなものばかりであり、本書ならではというものは感じないかな。2025/04/21
ジュンジュン
14
「指揮官たちの第二次大戦」の続編だが、コンセプトは微妙に違う気がする。将軍たちの戦歴を追いながら、そのバックボーンとなった各国の”コマンドカルチャー”(指揮統帥文化)の分析を試みる。つまり、軍も官僚組織の一つと考え、その組織の論理を考察する。が、終章で「一試論」としている通り、深まってはいないので、列伝なのか?組織論なのか?やや中途半端な読後感となった。2024/04/21
CTC
13
3月の新潮選書新刊。終章以外の12章12人の軍人評は同社文芸PR誌『波』の22年12月号〜連載加筆。題材は日米英の佐・将官で、タイトル通り41年12月以降の戦争で戦績顕著な者。紙幅の限られる文芸誌連載、手垢に塗れた人を評してもつまらないしマニアック過ぎても変だ。本邦陸軍3・海軍3・米海軍1・海兵1・空軍2・英陸軍2とバランスされ中々練られた人選。中身は…単行本にするには1人あたりが食い足りない。終章の明晰で格調高い(著者らしい横文字活用は若干鼻につくが…)昭和陸海軍組織論には刮目。これは素晴らしいの一言。2024/07/03
gauche
8
大木毅「決断の太平洋戦史」読了。相変わらず読みやすく、あっという間に読了。酒井鎬次中将は佐藤大輔の小説にも一言だけ出ていたと思うが、戦中戦後の動きをもっと知りたくなった。 また、小澤治三郎についても自分の感想が間違っていなかったという想いを強くすると共に、総合評価の点で更に知見を深めることが出来たと思う。2024/06/07
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