海を覗く

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海を覗く

  • 著者名:伊良刹那【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 新潮社(2024/03発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103554417

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内容説明

海を見た人間が死を夢想するように、速水圭一は北条司に美を思い描いた。高校二年の春、同じクラスの北条の「美」の虜になった美術部の速水は、彼の肖像画を描き始めた。二人の仲は深まっていくが、夏休みのある出来事が速水の心を打ち砕き――少年の耽美と絶望を端正かつ流麗な文体で描き、選考会でも激論を呼んだ話題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

石橋陽子

16
伊良刹那、17歳史上最年少で新潮新人賞受賞という快挙。三島由紀夫に魅せられ、文体は三島が乗り移ったかのような作風。読書歴も短くフリック入力で書いた作品とのことで驚くばかり。読み難い漢字の数々、見たこともない熟語が飛び交い調べながら読むが進まないので頓挫。三島風に気取って書いてあるのかと思いきや、ずっしりと重みのある文章を連ね、そこには確かな実力がみられる。美に関する思想が秀逸。自殺への考察には舌を巻き、自殺とは意志を放棄する無意志な行為とだという。次回作から大注目である。2024/05/11

naolog

6
図書館にて。これは令和の純文学なのだろうか。普段ヘンテコなミステリばかり読んでいるので毛色の違いに戸惑うばかり。恋とか愛とか認識が散りばめられているのにちっとも分からないし、空虚というのか虚しさばかりになる。2024/05/02

ジュリアン

2
「ずいぶん難しい言葉知ってるのねえ」としか思わない、表面的に三島由紀夫を意識しただけの作品としか思わなかった。 主人公を美術部員にしたのも北条を観察できる立場に置くためのご都合主義にしか思えず、その美の形容も、『禁色』などに比べて、華美な言葉が連ねられている割に全く具体的でない。 主人公の先輩も、アクセントとして人物造形したのだろうが、村上春樹の『ノルウェイの森』の永沢などと比べると全く生きていない。主人公にせよ、この先輩にしろ、美術そっちのけで高校生らしくない観念論をぶつけ合ってんじゃないよ。 2024/04/12

ぽー

2
逞しく時には美麗な文章に感嘆しつつも、果たしてこの物語に真に必要とされた文体だったのかはイマイチなところ。選評で小山田浩子さんが「しんどい」と言って×をつけたのも理解できる。 三島にあこがれ、三島っぽい文章で物語を作るというのは何ら悪いことではない。書く動機はだいたい、あこがれから始まるものだから。ただ現段階では「三島っぽい」や「17歳にしては」という枕詞がついてくるのも事実。次作はそういう言葉を払拭するようなオリジナリティ溢れる物語で、伊良刹那という名前だけを響かせてほしいです。2024/04/04

slice

2
高校生が書いた、という枕詞があって初めて成立する面白さだと感じるとともに、それでいいのか? と。この小説の完成度は、「小学生で数検一級取ったよ!」と同じようなもので、「若さの割に凄い」に留まっているように感じる。それがいいことなのか悪いことなのかは知らない。個人的な感想を言えば、まあ普通というか、つまらないわけではないが突出するものもないという感じ。三島が読みたいなら三島を読めばいい、とも思う。「三島らしく書く遊び」の延長の小説だと感じた。だから、面白いかどうかで判ずることはあまり相応しくないのかも。2024/03/29

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