内容説明
夜に開かれる猫たちの集会。沙織と朝まで一緒にいたい良男、ゴッホに自分を描いてほしかったキイロ、名前にあこがれる三毛の子猫らが集まり何を話し合っているのか覗いてみるとーー。つまらなく見えて大切なもの、自由としがらみ、生き方を選ぶということ。猫と人の幸せを巡る、せつなく温かい連作短編集。
不幸ではないけれど、
ちょっと寂しかったんだ。
累計50万部突破「猫弁」シリーズの著者が描く、猫と人間の”つながり“の物語
【もくじ】
はじめに
第一話 良男と沙織
第二話 キイロとゴッホ
第三話 哲学者
第四話 それぞれのクリスマス
第五話 ルノワール
文庫版あとがき 崖下の猫
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花ママ
52
猫の目線で人間を描いた5編からなる連作短編集。東京郊外にある青目川。そこに架かっている橋の中に、ねこすて橋という猫にとっては縁起の悪い名前の橋がある。しかしここでは、飼い猫ノラ猫の区別なく、いろんな猫たちが集まって、橋の上で集会を開く。それぞれの話には猫と人間の深い情愛が描かれていた。中でも、すごい絵の才能を持っているのに、色覚に異常がある男ゴッホと不細工な猫キイロの話が一番印象深く心に残りました。 2024/02/19
ますみ
8
★4★ 連作短編2024/03/19
barcarola
4
猫と人間の物語。バラバラと思えるエピソードが実は繋がっているというあたり、なるほど「猫弁」の大山さんの作品であり、期待していた通りであった。2024/04/06
kupukupu
4
猫と人のお話。 ほっこりするお話も有るけど、とても哀しいお話も有り、少し辛い読書となりました。2024/04/01
武
3
ねこすて橋で夜毎 集会を開く猫たち。それぞれの猫に、それぞれの生き方やしがらみがあり、名前を付けてくれた大切な人との思い出がある。猫の視点からの物語と、飼い主の視点からの思いが語られる。なんとも切ない、ちょっと寂しい、でも心温まるお話たち。2024/03/05