内容説明
【『NEEDY GIRL OVERDOSE』作者にゃるらが贈る、美しくどこまでも墜落していく青春小説】
─────────────────────────────────────────
現代、東京。
少女は「かな」という名前だ。
絶望にはまだ届かないほどほどの孤独を感じている。
巨大SNSぽけったーで知り合ったアニメアイコンたちと、
行き場のないオタクとの自堕落なオフ会を続ける日々。
ある少女との出会いが「かな」の人生に彩りをもたらす。
彼女はすべてが儚く、美しく、天からの贈り物のようだった。
その美しい少女は、「あめ」と名乗った──
─────────────────────────────────────────
誰かに求められる、何者かになりたい。
何者かになれるのではないか?
そう思ったことはありますか?
1人でもそんな人がいるのであれば、
この物語はあなたのために存在します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
碧海いお
8
ニディガに関連がある本ということで購入をしました。確かに超てんちゃん、あめちゃん共に登場。 18歳フリーターのかなが何者かになれないという悩む。 恋愛もの以外この手の小説は00年代発行のもので止まっていたのですが、ケータイ小説のノリ。パパ活や配信という言葉が出てくるのが現代みを感じます。ニディガを読む限り、筆者は90年代・00年代の発売をしたアダルトゲームが好きなようで意外といえば意外な話のように思えました。作者はあめちゃんといい、配信者に夢を持っているように感じました。2024/03/10
椎名
4
ニディガをプレイしていてもしていなくても読める一冊になっているが、個人的にはやはりプレイしていたほうが解像度は高くなるのではないかと感じられた。“かな”というゴスロリ趣味なだけの平凡な少女。インターネットのどこにでもいるアイコンのひとつを通して見るこの世界と、偶然にも出会った本物の“何者か”であるあめちゃんの姿はあまりにも鮮烈だ。あめちゃんが時折語る、汚物にまみれたインターネットが見せる優しさや温かさ。結局のところ私たちはその一瞬が忘れられずにインターネットを繋げてしまうのではないだろうか。2024/02/17
ハムお
2
読んでいる最中、題名に引っ張られて『蜘蛛の糸』が終始頭の片隅にあったので、題名のわりには救いのある締めのように感じた。読み味としてはライトノベルやケータイ小説。ただ、高卒フリーターのサブカル女子を一人称で、ここまで解像度高く描写できる作家はなかなか居ないだろうし、荒っぽいところも含めて読み応えがあった。 ずっとにゃるらさんの書いた小説が読んでみたくて、実際期待していたテーマで書き切ってくれたので、それだけで100点!今後も小説書き続けてほしい。2024/02/23
jolly
1
これはおもしろい。SNSの呪縛にはまるとたいへんなんだろうなー、と読書メーターというSNSの呪縛から逃れられないじじいが申しております。 2024/03/13
ガテン系
1
作者をかなり前から見ていた人間からすると、あめちゃんや超てんちゃんは氏のなりたい姿かつ氏自身の一部なのだろう。何となくこの作品の引用かなというアタリも付く物語の流れや形は、アニメやラノベにありそうな展開だった。氏のその界隈に関する解像度は高いと伺えるモノローグが殆どを占め、等身大の女子高生の思考回路やらしさが抜け落ちていたのが気になった。2024/03/08