内容説明
戦争はなにを変えたのか
ロシアによるウクライナへの侵攻から、1年半以上が経過した。この間、この戦争にもっとも影響を受けたヨーロッパはどのように戦争に対処してきたのか。各国・各地域の研究を牽引する気鋭の研究者が、これまでを振り返り現況を再確認するとともに今後のゆくえについても言及する。
【主要目次】
序 ウクライナ戦争はヨーロッパをどう変えたのか(細谷雄一)
I ウクライナ戦争が変えたヨーロッパ
1 ロシアによるウクライナ侵略がEU拡大に及ぼした変化(東野篤子)
2 NATOはどう変わったのか――新たな対露・対中戦略(鶴岡路人)
3 ウクライナ「難民」危機とEU――難民保護のための国際協力は変わるのか?(岡部みどり)
II ヨーロッパ各国にとってのウクライナ戦争
4 ウクライナ戦争とイギリス――「三つの衝撃」の間の相互作用と国内政治との連関(小川浩之)
5 ロシア・ウクライナ戦争とフランス(宮下雄一郎)
6 ドイツにとってのロシア・ウクライナ戦争――時代の転換(Zeitenwende)をめぐって(板橋拓己)
7 ウクライナ戦争とロシア人(廣瀬陽子)
8 ロシア・ウクライナ戦争とウクライナの人々――世論調査から見る抵抗の意思(合六 強)
9 NATOの東翼の結束と分裂(広瀬佳一)
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
3
ふむ2024/04/13
バルジ
3
開戦から既に2年近くが経過しウクライナ戦争への注目度も下がる中での貴重な論集。ウクライナ戦争における欧州各国の動向を纏めた中間報告の趣もあり、現段階で抑えるべきポイントは網羅されている。やはり気になるのは各国の「支援疲れ」であろう。この点、終章の広瀬佳和論文で指摘のあるように中東欧の一部にある親露的・中立的傾向と西欧の右派ポピュリズムが合わさるシナリオが現実味を帯びている。ロシアの権威主義を超えたプーチン独裁に対抗できるのか、自由民主主義の「レジリエンス」の真価が問われてくる段階であろう。2024/01/28
中将(予備役)
1
1年ほど前時点の情勢を下に書かれた論文集。国際政治への影響、欧州各国の基本姿勢、ロシアとウクライナの世論が分析されていた。薄いが内容が詰まっていた。2024/09/14
Oki
1
ウクライナ戦争における欧州各国の動向が垣間見れる。 戦争というものは、誰かが見誤った時に起こるものだと思うが、見誤った度合いが郡を抜いて大きいのは間違いなくプーチンだろう。 そういう明確な大間違いをするトップを変えられないロシア大衆というのが絶望的。2024/08/02
hata2
1
ロシア・ウクライナ戦争についての論考や書籍は多少なりとも読んでいるが、NATO東翼の国々の結束と分裂についての論考はあまり読んだ事がなかったので、興味深く読んだ。2024/03/09
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