内容説明
安房・上総を基盤に里見氏の最盛期を築いた戦国大名。庶家に生まれながらも、一族の内乱に勝利し家督を継ぐ。房総の交通・経済の要衝久留里城を本拠に、上杉謙信と連携して江戸湾をめぐり北条氏と対立。下総香取海へも侵攻し、東国の水運掌握を目指した。限られた史料をいかし、「関東無双の大将」「仁徳の武将」と呼ばれたその軌跡と人物像に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
13
房総の戦国大名の評伝。謎に満ちた義堯以前の里見氏の動向や、後継者の義弘・義頼らのことも描くなど、後期里見氏の通史としても読める。下克上で宗家を滅ぼし、一代で版図を広げるという戦国大名の典型のような生涯だが、仏僧との交流から統治者としての苦悩も描くことで、なかなか味わい深い読み物になっている。江戸湾を巡る北条氏との攻防もそうだが、イケイケのころは下総の香取海まで手に入れようとするなど、水運の支配を重視した動きが面白い。また後代まで里見氏を縛った関東公方の権威や、上杉謙信との微妙な距離感も印象的であった。2022/11/02
フランソワーズ
4
古河公方、小弓公方の”副師”の矜持を元に、大敵北条氏と抗争し続けた里見義堯の評伝。外政においては家中の正木氏や領国の国衆、上杉謙信や武田信玄、宿敵北条氏との虚々実々の駆け引き。内政においては中国の「堯・舜」の治世を胸に掲げ、徳をもって領国を治めようとした義堯。地勢的に特殊な安房・上総国の舞台に生き残るために、勢力を拡大するために奮闘したその姿はそのまま、戦国大名当主の一例として、非常に興味深いものがありました。2023/08/20




