内容説明
発禁から解禁へ!?ひとりの女人として正直に物を言い、キャンセルされた反米文学者のその後。
発禁から解禁へ!?
2024年、一つの判決が出ると
このような本はもう出せなくなるかもしれない
今ならまだ書けるぎりぎりまでを書いた
私、私小説、身体、言論の自由、保守の本分、ジェンダー主義告発
ひとりの女人として正直に物を言い
キャンセルされた反米文学者のその後
女たちと保守の一点共闘、最前線報告
【著者】
笙野頼子
笙野頼子(しょうの よりこ)
1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。元・立教大学大学院特任教授。
81年「極楽」で群像新人文学賞受賞。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー大賞、05年『金毘羅』で伊藤整文学賞、14年『未闘病記―膠原病、「混合性結合組織病」の』で野間文芸賞をそれぞれ受賞。著書多数。
目次
緊急出版ご挨拶、「座して亡国を待つわけにはいかない(引用)っていうか」
S倉、思考の場所/架空の土地
藤枝静男論 会いに来てくれた
川上亜紀論 知らなかった『チャイナ・カシミア』解説
これ?二○一九年の蒼生の解説です
反逆する永遠の権現魂─?毘羅?学論序説
続報『女肉男食 ジェンダーの怖い話』
十八歳または二十歳になる猫
後書き
リンク集
初出一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hasegawa noboru
21
<彼がいなかったら「私」はいなかった>とまでいう「師匠」に関する論、随筆というより「私小説」だろうまさにこれは、傑作。「藤枝静男論 会いに来てくれた」。<ひとりの作家の古層または核心>本質、<本人をつくっている核><私小説の素>とは<例、性別(原文2字傍点)、肉体、親、子、運命、郷里、妻、夫、結核、難病、災難、貧乏、それらは実体であり、否認出来ない本人の所有物である><そんな「私」は国家対抗的な武器であると共に、他者に奪われてはならない私的存在=現実なのである>。ところが<その私的個別性、私的領土、それを2024/03/24
kenitirokikuti
8
図書館にて。我孫子市民図書館には『女肉男食 ジェンダーの怖い話』は入ったが、本書と『笙野頼子発禁小説集』は取らなかったようだ。かーりるろーかる検索し、隣の市の図書館へ行った。ジェンダーの話題だけでなく、柄谷行人批判のあれとかも収録されている▲ご自身でけっきょく「反米」なのだと書かれていた。私は侵襲されることへの拒否感が薄いんだろなぁ。2024/09/07
うさぎや
3
解禁というか今のうちにというか、新旧様々な随筆等々。しかし主張は一貫している。旧作が予言だと言われるのも仕方ないくらい、どんどん悪い方へ傾いていく現実が浮き彫りにされていく。2024/02/16
mick
1
いろいろ考えさせられた。物の見方、考え方の難しさ、思い込みに惑わされぬようにすることの難しさ、生きることの難しさ。考えれば考えるほどわからなくなり、へこたれてしまいそうだ。最後に残るのは猫だけ。2024/03/12