内容説明
ユングが提唱した後期思想の中でも、今なお大変関心の高い共時性原理。本書はユングと共同研究した体験をもつ著者が、ユング自身の理論の生い立ちをたどりつつ、シンクロニシティ(意味のある偶然の一致現象)への理解をより深めるために著した重要な一冊。易経、道教からライプニッツ、アインシュタインまで、広い視野から詳細に考察する。巻末には、本書をより平易に理解するために、共訳者・河合隼雄氏による解説を付した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Syujin Yukido
3
めちゃくちゃ面白い本。ただし そもそも共時性とはどういう現象なのかちょびっと書いてあるだけだし、元型については説明がないから、高かったけど「元型論」買って読んどいてよかった。 かつて、片山まさゆきが「麻雀教室」で、 「配牌は明るい気持ちでもって来よう!!」 と、まじめに解説していたが、これこそ「希望の元型」である。 共時性を学んでいったいなんの得があるのかというけれども、米長邦夫「人生における勝負の研究」を共時性で論じれば、勝負事にはとても重要な研究なのではないかなあああああなんて思う。 2024/05/03
kentake
0
ユングの共時性(シンクロニシティ)について、共同研究者であった著者が解説した本の復刻版。分かりやすい記述も多いが、全体的にはやはり難解な理論である。 事故が発生し懸命に対策を講じている時に、全く別の場所で全く別の事故が連続して発生することがある。このような時に共時性の存在を強く感じる。通常は事故の連鎖を断ち切るため、意識レベルを最大限に上げ必死になって取組む、という対応をしがちであるが、より効果的な取り組みは、事故の連鎖の背景に潜む関係者の無意識の世界に潜む要因まで考慮した対策を検討することなのだと思う。2023/09/25