内容説明
泣きたいあなたへ。心ほぐれる“恋味”小説。
自分の容貌に強烈なコンプレックスを抱く28歳の日向桐子は、人目に触れぬよう外では常にマスクと眼鏡を身につけて暮らしている。「優しい料理」のサービスに力を入れる単身高齢者向けマンション『みぎわ荘』でも、桐子は職場の人間関係をうまく築くことができない。もう辞めよう、そう思っていた桐子の前に現れたのは、72歳の不良老人・匙田譲治だった。小粋な江戸弁で話す匙田に連れてこられた「居酒屋やぶへび」で、大雑把ながら手際よくつくられた温かい料理と、悩み多き人生を懸命に生きる心優しい人々との対話を通じ、桐子の心は少しずつほぐされていく。
第1回「日本おいしい小説大賞」受賞作、待望の文庫化!
主人公の意外な素顔に、きっとあなたも騙される。
無骨だけど温かい、年上男性がつくるおいしそうな料理たちの描写が、傷つき疲れた心に心地よく沁みること間違いなし。泣きたいあなたへ、この冬イチの温かさをお届けします。
※この作品は単行本版『七度笑えば、恋の味』として配信されていた作品の文庫本版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜
43
恋愛モノとか進んで手に取らないのに取ってしまったのは理由があった。 この作家さん、いつか買おうとしてたんだった!(ウロ覚えw) 「変態ホイホイ」な私は桐子の気持ちをちょこっと解りつつも(美しくはないけど!)、圭一の弱さに感じいり、祥太朗の漢気に感心し、黒田君の飄々とした態度に好意を持ち、匙田さんにホレた! 麦ちゃんも何だかんだで桐子を見放さないトコ好き! 山葵鍋気になるぞ! 他のお作も読んでみよう(*´ω`*)2024/09/12
きょん
43
人は誰しも自分の容姿にコンプレックスを抱いているとは思うけど、桐子の意外すぎる悩みはちょっとびっくり。圭一なりの理由があるとはいえ夫婦生活も普通じゃないし。匙田との出会いがきっかけとはいえ桐子が前半と後半とで別人のようになっているのも違和感。いい話しではあるんだけど自分には合わなかったようで。2024/05/26
Karl Heintz Schneider
32
大好きな古矢永さんの新刊だと思って予約。読み始めてすぐに強烈な既読感に襲われる。奥付きを見てみたら、以前読んだ「七度笑えば、恋の味」の改題&文庫版だった。読むのやめようかとも思ったがせっかくなのでそのまま読了。半分忘れてたけど、覚えているところもあってサクサク読めた、二度目にもかかわらず面白かった。主人公の女性は誰もがうらやむ美貌の持ち主だが。そのせいでこれまでの人生、嫌な想いをしてきたという。ハーフとかは、いじめられることがあるらしいけど日本人で美人なのに、そんなことあるんだろうか。2024/05/14
アオイトリ
23
軽く気分転換に)自分の際立った美しさを愛せない。同性の妬み、良からぬ異性の関心をかってしまう、孤独な主人公。正直、共感しにくい…。顔を隠して高齢者施設の調理補助をしながら、自分らしく生きようと不器用に足掻く彼女。うーん、顔のせいかな?おどおどしちゃう弱さや受け身スタンスが邪なものを刺激しちゃうのかもね。生きづらさを抱えたもの同士の結婚生活は痛々しかった。70歳にして王子様キャラの匙田さん!べらんめえ口調のダンディズムにおおっとなる。ハッピーエンドは良かったです。2024/07/04
み
15
ジャケ読みした作品、何となく読了…。桐子さんに感情移入できなかった、理解もできないからかな。言いたいこと言わなきゃ分からないわ。言葉は気をつけねばだが。2025/04/26