内容説明
捜査の第一線から外され続けた佐伯宏一。だが能力の高さは重大事案の検挙実績では道警一だった。その佐伯は、度重なる警部昇進試験受験の説得に心が揺れていた。その頃、競走馬の育成牧場に強盗に入った四人は計画とは異なり、家人を撲殺してしまう。強盗殺人犯となった男たちは札幌方面に逃走を図る……。それぞれの願いや思惑がひとつに収束していく時、警官の酒場にある想いが満ちていく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
198
佐々木 譲は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。11作目で第1シーズン完結となる道警シリーズも読み続けています。刑事はストレスフルな職業なので、お酒を呑まずにいられないのかも知れません。第2シーズンの舞台は、札幌から函館に移る模様です。 http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=71322024/03/12
いつでも母さん
155
約20年、道警シリーズ第1シーズン完!(拍手~)11作目・最新刊を読んだ。『それぞれの季節、それぞれの決断ー。』帯が正直ちょっと心配。佐伯、津久井、小島・・始めは別々の事件のはずだった。繋がってラスト、ブラックバードのシーンは私のドキドキが止まらない。嗚呼・・えぇー!そうか、帯がしっくり来てブラボーの感。次はどんな感じになってるのだろう。楽しみにして待っていたい。佐々木作家、どうぞ健康に留意されますように。 2024/03/10
おしゃべりメガネ
117
『道警・大通警察署』シリーズ第11弾にて第1シーズン完了のようです。捜査能力はピカイチであり、重大事案の検挙実績においてもずば抜けていた「佐伯」さんに度重なる警部昇進試験の話があるコトからスタートします。そんな中、厚真で強盗殺人事件が発生し、事態はめまぐるしく展開します。本作には過去作品に登場したジャズピアニスト「安西」さんも再び登場し、もしやな展開を匂わせてくれます。長きに渡り我々を楽しませてくれたチーム『佐伯』の面々ですが、いったんここで一区切りとし、それぞれの新たな道へと決断し進んでいくようですね。2024/03/02
nemuro
66
『笑う警官』(2019年10月読了/コーチャンフォー北見店)『警察庁から来た男』(同年11月読了/ジュンク堂書店旭川店)『警官の紋章』(同月読了/くまざわ書店東神楽店)『巡査の休日』(同年12月読了/岡書帯広イーストモール店)『密売人』(2020年1月読了/コーチャンフォー旭川店)『人質』(同年2月読了/ジュンク堂書店札幌店)『憂いなき街』(同年3月読了/函館栄好堂丸井今井店)『真夏の雷管』(同年4月読了/札幌弘栄堂書店パセオ西店)『雪に撃つ』(2022年6月読了/くまざわ書店東神楽店)。『樹林の罠』へ。2024/04/06
ででんでん
59
道警シリーズ。久しぶりに読んだが、ページをめくっていくうちに、いつもの佐々木さん作品の北海道の空気感を懐かしく好ましく感じた。お馴染みのメンバーたちが、それぞれにいろんなものを抱えながら、少しずつ先へ進んでいる様子が胸に響いた。犯人へ辿り着く操作の道筋も、やはりおもしろい。満喫させてもらった1冊。2024/04/01