内容説明
もう、ほかにだれもいない。
自分が立ち上がるしかないのだ……
孤立無援の若者が、王となる道に一歩ふみだした日を、北欧の美しい自然をバックに描き出す、読み応えのあるYA小説。
16世紀初めの北欧。
デンマークによる圧政に苦しむスウェーデンで、国家独立の志を掲げて立ち上がった若者、グスタフ・ヴァーサ。
独立派の重要人物だった父がデンマーク王に殺され、「自分が立ち上がるしかない」とグスタフが心を決めた日から、味方を増やしつつ旅を続け、のちに独立戦争の主力となる南部の農民たちを説得して蜂起させるまでを、緊迫感のある文章でつづる。
グスタフ・ヴァーサは建国の父・初代の王として、スウェーデンでは知らない人はいない存在。
その青年時代のごく短い一時期に焦点をあて、「孤立無援の若者が不屈の意志をもって成功の糸口をつかむまで」の物語として描きだす、読み応えのあるYA小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
37
16世紀・カルマル同盟の時代、実質的にデンマークの支配下のスウェーデン。デンマーク王クリスチャン一世の人質となっていた若きグスタフ・ヴァーサが王の支配強化の意図を知って監禁されていた城から脱出し、デンマークからの独立を果たすために仲間を集い、戦いを始める初期のエピソードを紹介。グスタフには、独立を勝ち取り、スウェーデン語の確立にも寄与した建国の英雄であるとともに、後には国家発展のために強権的支配を確立させ、農民の反乱を容赦なく鎮圧した絶対君主の顔もあります。歴史は一筋縄では行かないものですね。2024/03/16
タンタン
6
16世紀初め、スウェーデン貴族の息子グスタフ・ヴァーサは、人質として囚われていたデンマークを脱出し、妹の嫁ぎ先テルネーム城へたどりつく。1397年に結ばれたカルマル同盟によるデンマークの圧政に苦しんできたスウェーデンは独立派と同盟派で国内も対立していた。1518年にクリスチャン二世の休戦協定でグスタフは人質に囚われていた。その間に若ステューレ総統は砲弾に倒れクリスチャン二世がスウェーデン王に迎えられ、妹達やグスタフの両親や貴族たちがその即位式に招かれているという。グスタフの制止もきかず妹達は出かけていく。2025/10/24
ワンちゃん
5
スウェーデン建国の歴史にまつわるエピソード、面白かったです。これがスキーのクロスカントリーの発祥にもつながるのですね。2024/03/04
You
4
面白かった。最近読書から離れ気味だった私を連れ戻してくれた。海を挟んだ覇権争いに明け暮れる16世紀ヨーロッパの、スウェーデン建国の父グスタフ・ヴァーサ!…の建国部分は描かれず、そのスタート地点に立つまでの、国(デンマーク支配下)を追われた憂国の貴族が激アツなハートを絶やさずにひたすら逃げ隠れする物語。だがそこがいい。そこを手助けする地方のささやかな憂国の平民たちがまたいい。フィクションを織り交ぜているらしいがどこまでが史実なんだろう?デンマーク王に無気力に従う国民たちに、今のわーくにが重なって見える。2025/09/09
奏
4
スウェーデン建国の父、グスタフ・サーガ。彼の名前も初めて知ったし、デンマークの圧政に苦しんだ歴史があったことも知らず、興味深く読んだ。それぞれの国に歴史があり今がある。お互いの国の歴史を学びあっていくことが世界の平和に繋がっていくと信じたい。2024/05/04
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