内容説明
もう、ほかにだれもいない。
自分が立ち上がるしかないのだ……
孤立無援の若者が、王となる道に一歩ふみだした日を、北欧の美しい自然をバックに描き出す、読み応えのあるYA小説。
16世紀初めの北欧。
デンマークによる圧政に苦しむスウェーデンで、国家独立の志を掲げて立ち上がった若者、グスタフ・ヴァーサ。
独立派の重要人物だった父がデンマーク王に殺され、「自分が立ち上がるしかない」とグスタフが心を決めた日から、味方を増やしつつ旅を続け、のちに独立戦争の主力となる南部の農民たちを説得して蜂起させるまでを、緊迫感のある文章でつづる。
グスタフ・ヴァーサは建国の父・初代の王として、スウェーデンでは知らない人はいない存在。
その青年時代のごく短い一時期に焦点をあて、「孤立無援の若者が不屈の意志をもって成功の糸口をつかむまで」の物語として描きだす、読み応えのあるYA小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
34
16世紀・カルマル同盟の時代、実質的にデンマークの支配下のスウェーデン。デンマーク王クリスチャン一世の人質となっていた若きグスタフ・ヴァーサが王の支配強化の意図を知って監禁されていた城から脱出し、デンマークからの独立を果たすために仲間を集い、戦いを始める初期のエピソードを紹介。グスタフには、独立を勝ち取り、スウェーデン語の確立にも寄与した建国の英雄であるとともに、後には国家発展のために強権的支配を確立させ、農民の反乱を容赦なく鎮圧した絶対君主の顔もあります。歴史は一筋縄では行かないものですね。2024/03/16
ワンちゃん
3
スウェーデン建国の歴史にまつわるエピソード、面白かったです。これがスキーのクロスカントリーの発祥にもつながるのですね。2024/03/04
えっこ
2
菱木晃子さんの講演会を聞いたので、手に取った。ジュニア向けの伝記のよう。北欧ミステリーが好きでよく読むけれど、デンマークとスウェーデンの関係性は知らなかったな。2024/03/12