中公新書<br> 寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学

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中公新書
寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学

  • 著者名:小山慶太【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2024/01発売)
  • 中央公論新社 GW特大フェア ポイント40倍!(~5/12)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121021472

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内容説明

文理に異才を発揮した寺田寅彦には、二人の“師”がいた。夏目漱石とイギリスのノーベル賞科学者レイリー卿である。「空はなぜ青いか」の謎を解いたレイリー卿は、私邸の実験室で研究に耽る「道楽科学者」であった。寅彦もまた、随筆や俳句を発表し、音楽や絵画を愉しむ一方で、「尺八の音響学」「椿の落下運動」など、意表をつくテーマの研究にあけくれた。寺田物理学の真髄に迫り、その和魂洋才の精神をさぐる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

16
漱石の門下生であったことさえ知らなかった。無知だなあと反省。身の回りのことを研究する、純粋な探究心を持った物理学者だったことが読み取れる。途中難解な数式が出てきて面食らったが、それ以外では面白いエピソードも多い。エキサイティングな時代だったのだなあとつくづく思う。「ねえ君、不思議だと思いませんか?」京極堂の真逆・・・?2012/03/20

コダマ

15
イギリスの貴族レイリー卿の研究スタイルに魅力を感じ、「日本の物理学」を考えた寺田寅彦。世界では新たな元素、X線など発見が行われる中で、「空はなぜ青いのか?」と言った疑問から自然からくる物理学を研究していく。2019/08/17

猫丸

13
寒月君のつくりかた。19世紀末殿様科学者レイリー卿を範とし、量子力学勃興を横目で見つつも古典力学研究に終始した寺田寅彦の精神にひとつの形を与えた良作。物理学が巨大プロジェクトを基盤とした連名論文主体となる前の、最後の牧歌的楽園であった時代を憧憬している。本書に記載は無いが、ノーベル物理学賞を受けたレイリー卿は心霊現象研究協会(SPR)の会長を務めたこともある余裕派の大物である。寺田寅彦にも、師匠である漱石の持った精神の余裕がある。業績至上主義からは絶対に出てこない数々の趣味的研究に、学問の王道を見る思い。2020/06/24

よしひろ

9
戦前の物理学者寺田寅彦。天文学者が空を見るように、地理学者が地図を見るように、この人物は地球を物理学の立場から見ていたのだろう。「空がなぜ青いか。」そんなことに疑問がわくところが偉大だと思った。そこには理由があるとは思うが、多くの人は知りたいとも思わず、放置しているのではないだろうか。しかし、物理学の立場からから見れば、そこには必ず根拠がある。2016/03/26

Panico

5
寅彦と言えば自分の中では『古典物理学の生き残り』『独自路線』そんな印象ばかりが先行していてまあそれも間違いではないが、それ以上に(新旧問わず)科学の探究者であり続けたのだなと実感する、寺田ダイジェスト。寅彦の人生に最も影響を与えたであろう、レイリー卿と漱石のエピソードを交えつつ…って本文の約半分はレイリーの話じゃねーか!?これはこれで興味深いがね!!配分としてはレイリー史&19~20世紀の物理史プラスその渦中に生きた寅彦の話、って感じか。エッセイや珍研究が読みたい人は寅彦本人の著作を読む方がいいかも2014/01/25

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