- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
故郷を離れたウェルテルが出会い恋をしたのは、婚約者のいるロッテ。彼女と同じ時間を共有するなかで愛情とともに深まる絶望。自然への憧憬と社会への怒りのあいだで翻弄されもするウェルテルの繊細な心の行きつく先は……。世界文学史に燦然と輝く文豪ゲーテの出世作。身悶え不可避の不朽の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazi
22
私には全然ピンとこなかった。初めて読んだけど、「この本は自分のために書かれた」とは全く思えませんな。それは社会だとか時代背景が変わったからなのか、私が歳をとりすぎたからなのか、私の生まれ持った性格に問題があるのか。勝手に自殺しといて〜、亡骸の始末はよろしくお願いします〜、通りすがりにでも墓参りはしてほしい〜、ってなんじゃそりゃ?随分と自分勝手なことばかり言ってくれるじゃないですか!長々と詩とか書いてくるけど、私にはロマンチズムにかぶれた、たわけの妄言としか思えん。2024/03/26
フリウリ
16
同じように「恋して狂気に陥る」としても、もしもフランス小説ならば、ウェルテルはロッテをさっさと「寝取る」と思うのですが、ウェルテルもロッテも悩みに悩んだすえ、疾風怒濤の結末に向かうのは、ドイツ小説の(ドイツ文化の?)特性かもしれません。恋愛に対する素朴さ、またこのような素朴さへの憧憬が、わりと最近まで日本の多くの青少年の胸のうちにもあったことは、たまには思い出したほうがよいとおもいました。冒頭からの自然の描写や陶酔はゲーテ節全開で、ゲーテが若い頃から成熟した書き手であったことを、まざまざと感じました。82024/04/05
還暦院erk
12
図書館本。ガーディアン1000冊の46冊目。『ファウスト』は中学生の頃読了したのに本書は読み始めたばかりで飽きてしまい(!)ほったらかしにして約半世紀。ようやく読めた。さすが文豪の有名作品。小説の記述方法には多少不統一感はあるけれど、美しい文体と若者のリアルな恋煩いが胸に迫った。自死前後の客観描写が冷徹な印象だったが、これはモデルになった青年の死亡に至る記録が元ネタになっているらしい(解説参照)。片恋や不倫に悩んでいる人なら影響受けちゃうかもね確かに。何故か『僕の地球を守って』後追い騒動を連想した。2024/03/25
真琴
10
婚約者のいるロッテに恋したウェルテル。若さゆえの愛情も次第に絶望も深まっていく。そして、社会に対する怒りも絶望へ。長く読み継がれる作品だけあって読み応えがあった。本書は、初版からの翻訳とのことなので、改訂版の訳でも読みたい。2024/02/28
じゅん。
10
数年前に読みましたが、新訳が出たので読みました。これまでの訳で最も好みで、あらためて衝撃を受けましたね。最後らへんの鬼気迫る感じ、、さすがの迫力です。2024/02/27