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内容説明
妻ががんで逝った。61歳、1年あまりの闘病生活ののちの早すぎる死だった。家族が悲しみ、うろたえるなか、妻は、嘆かず恨まず、泰然と死んでいった。それはまさに「あっぱれな最期」だった。決して人格者でもなかった妻が、なぜそのような最期を迎えられたのか。そんな疑問を抱いていた私が出会ったのは、「菫ほどな小さき人に生まれたし」という漱石の句だった。そうか、妻は生涯「小さき人」であろうとしたのか――。妻の人生を振り返りながら古今東西の文学・哲学を渉猟し、よく死ぬための生き方を問う、珠玉の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かずぼう
20
著者の奥様は、出自が農家の田舎者。私と境遇が似ており考え方が共感できる。穏やかな最後を迎えたい奥様に対して、夫や息子が動揺し過ぎてそのイサギの悪さが不快、途中で読むのをやめようかと思った。夫は、大学教授で難しく奥様を分析するが、一言で言えば奥様は『気が張っている』のですよ、だから泣き言などは言わないのだと思う。2025/11/10
hippos
19
死を泰然と受け入れることができるかは誰もが不安だと思う。目前にして取り乱すのではないか?生に執着してみっともない様を晒しはしないか? 本書に限らず答えは見つからないだろう。2024/06/01
まろにしも
12
様々な死生観を取り上げ、天晴れな死を迎えるための生き方について書かれているのだが、冷静な語り口調の節々に、妻に対する愛情が滲み出ている。久しぶりに再読したいと思える本に出会った。2024/08/03
千本通り
7
自己顕示欲なんかこれっぽちもない奥様の話を、有名人たちの死と比較して紙数を稼いで世に出した、自己顕示欲の強いご主人が出した本。奥様はただ自然体に生きたかっただけ。なぜ奥さんがそのような人生観を持つようになったのか、周辺にはほとんど取材しておらず、ご主人の感想と思い出のみで書かれたとしか思えない。でも夫婦の会話が多かったとも思えず、一方的な思い入れの部分が多々ありそう。2024/07/25
coldsurgeon
7
子宮体癌により亡くなった妻の、死を恐れて嘆くことなく、苦しみをあまり口にすることはなく、泰然としていた姿に、あっぱれな最期と思う、翻訳家としての夫の、エッセイであり、妻への挽歌。「菫ほどな 小さき人に 生まれたし」という俳句を引き合いに出し、妻は、自慢はせず、プライドを抑え、安らかに死を迎えたと考えている。欲望をかなえても、少しも幸せではない。他者からどう見られるかは大事ではない。そうやって「小さき人」として、人生を過ごせると、あっぱれな最期を迎えることが出来るのかもしれない。2024/06/07




