内容説明
バウムテストは日々進化している。テストをとるのは簡単だが、バウムに現れたサインの意味をどう解釈をしていけばいいのか。誰しもがぶち当たる壁である。バウムテストを行ったからといって、すぐにクライエントのすべてを理解することはできないが、主観で判断するよりも、まずは本書で数多くのバウムに当たり、絵からどのようなサインをとることができるのかを読み解いていこう。
解釈をするのには、サインを拾う側の力量も関わる。しかしバウムテストを系統立てて読み解いていくことで、分析できることはたくさんある。また、クライエントとの言葉のやり取りだけでは得られなかった情報も見えてくるだろう。
本書の初版は2002年であるが、そのあとの訳者の著作、他書の翻訳を通し、ぼやけていた描画の印象がだんだんと明瞭になりつつある。バウムテストへの理解が深まることで、臨床の役に立つ機会がさらに増えるはずだ。
目次
新装版に寄せて
序文
緒言
序章
1 木の象徴性
2 バウムテストの歴史
3 バウムテスト実施のための用具と教示
バウムテストの解釈方法
絵の分析のために留意すべき木の各部分の指標
バウムテストと筆跡学
4 ヴィトゲンシュタイン指数
5 第3の木あるいは夢の木
6 内向-外向
7 未成熟
8 知的障害
9 不安
10 神経過敏
11 抑うつ傾向
12 衝動性
13 攻撃性
14 パーソナリティ障害
15 性的問題
強姦-近親姦
同性愛
性犯罪者
性犯罪の被害者
16 神経症と精神病
17 アルコール依存
18 薬物依存
19 症例研究
結語
二つの性格検査についての説明
:ロールシャッハテキストとソンディテスト
参考文献
解題
訳者あとがき
バウムテストに表れるサインと精神症状の関係
図(バウムテスト)一覧