内容説明
過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
176
私には久しぶりの柚木さん。短編6話。思ってたのと違う~でもまあタイトルはまんまか!(汗)1話目の『評論家おことわり』思うところはあるのでフムフムと進んだら、あららそっち?な感じ。『商店街マダムショップは何故潰れないのか?』田舎の我が町にも微妙なお店(マダム御用達)があり想像して読んだ。好みは『トリアージ2020』だった。帯には『強炭酸エナドリ短篇集。』とある。確かに炭酸強めだった・・ 2024/04/17
さてさて
171
“差別、偏見、思い込み ー 他人に貼られたラベルはもういらない、自分で自分を取り返せ!!” 本の帯に記されたそんな言葉にどこか力づけられもするこの作品。そこには”手詰まり”な状況に置かれた主人公たちが前に進むための行動を起こしていく先の物語がコロナ禍に書かれた六つの短編の中に描かれていました。柚木麻子さんならではの圧倒的な推進力でぐいぐい読ませるこの作品。”強炭酸”すぎる物語が故に、読む人と読む時期を選ぶであろうこの作品。ぐいぐい読ませる柚木さんの圧倒的なパワーを改めて再認識させられた、そんな作品でした。2024/03/24
itica
94
SNSで誰でも手軽に発信できるからこそ起きるトラブル。コロナで変わってしまった生活。けれど時代は変わっても守らなければいけないことはある。他人のふんどしで相撲を取っちゃいけないってこと。閲覧数を増やすためなら人を傷つけても何とも思わない奴は恥を知れ!と、読みながら怒り再燃。「トリアージ2020」「パティオ8」が好き。 2024/04/03
mint☆
92
パンチの効いた6つの短編集。共感しながら読んでいたら想像とは違うところへ着地する。前半と後半で視点が変わり立場によってそれぞれの思惑がみえて面白い。こういうタイトルは結構好き。#NetGalleyJP2024/04/04
花ママ
77
6編からなる短編集。短編ながら、中味濃かった。うぬぼれた者を鋭く切り捨てたり、落ち目の元アイドルが何とか生き抜こうとするさまや、悪阻に苦しむコロナ禍の妊婦に手を差し伸べる人など、世の中多種多様な人たちがいるんだなぁと 妙に感心してしまった。♯Net Galley2024/04/02