あいにくあんたのためじゃない

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あいにくあんたのためじゃない

  • 著者名:柚木麻子【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 新潮社(2024/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103355335

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内容説明

過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

662
6つの短篇を収録。いずれもが、多かれ少なかれコロナ下での物語である。柚木麻子の作品は5つ目だが、そうした条件の下にありながらも、作品としての自由度は最も高い。それは言葉を返せば、設定の緻密さには欠けるということでもある。すなわち、あれこれと無理がありながら、それでも半ば強引にプロットを進めて行く。そうした傾向は、巻頭の「めんや 評論家おことわり」にことに顕著である。エンターテインメント小説と割り切ればいいのかもしれないが。篇中でしいて1作を選ぶとすれば、「パティオ8」か。2024/07/21

starbro

511
柚木 麻子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 POPな表紙のイメージとは異なり、一癖も二癖もある短編集、オススメは、『めんや 評論家おことわり』&『商店街マダムショップは何故潰れないのか?』&『スター誕生』です。 https://www.shinchosha.co.jp/special/aitame/2024/05/09

さてさて

491
“差別、偏見、思い込み ー 他人に貼られたラベルはもういらない、自分で自分を取り返せ!!” 本の帯に記されたそんな言葉にどこか力づけられもするこの作品。そこには”手詰まり”な状況に置かれた主人公たちが前に進むための行動を起こしていく先の物語がコロナ禍に書かれた六つの短編の中に描かれていました。柚木麻子さんならではの圧倒的な推進力でぐいぐい読ませるこの作品。”強炭酸”すぎる物語が故に、読む人と読む時期を選ぶであろうこの作品。ぐいぐい読ませる柚木さんの圧倒的なパワーを改めて再認識させられた、そんな作品でした。2024/03/24

しんごろ

458
ちょっと毒のある6話からなる短編集。柚木麻子ファンには、短編だから物足りなく感じるかもしれませんが、個人的には、中毒性のある短編で、全六話全部良かった。ハマった人には“全方位方短編集”というべきか。息苦しく世知辛い世の中を生き抜くうえで、自分のプライド、譲れないもの、ポリシー、自分の信じる道を貫こうとして、人生を歩んでいる。それは、確かにあんたのため、人のためでなく、自分のためである。自分の道を地に足つけて歩んでいきたいと思う短編集だった。2024/06/16

佐藤(Sato19601027)

456
コロナ禍、他人との距離の取り方が分からなくなった者たちのお話。今どきの付き合い方を考えさせられる短編が詰まっている。ある者はSNS上の誹謗中傷で世間からそっぽを向かれ、またある者は自分の行為がお節介になるのではないかと余計な気を遣っている。他人の親切を疎ましくも思うし、在宅勤務でお隣の声も気になったりする。そんな生きづらい世の中ではあるが、ちょっとした親切や、昔ながらの商店街にホッともする。近所づきあいも時には力になる。「トリアージ2020」「商店街マダムショップは何故潰れないのか?」に惹かれた。2024/06/29

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