内容説明
「生きることに意味はあるのか?」 この問いを分析哲学的に研究する知られざる21世紀英語圏の新しい哲学的ムーブメントを紹介し、各自の観点から実際に探究する入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zunzun
4
人生の意味の哲学入門、読了。 勉強になる本だった。先日バズっていた東大アイドルの炎上、環境とか努力とかそういうのをおもいながら読むと更に楽しめた。十代のときにあったらなあ、とおもわないでもない。人生を考えたい人にはおすすめできる。文献紹介も豊富にある。 「人生の意味の哲学」はここ二十年ほど欧米で流行しているらしいが、当然、本邦では紹介されていない。その重要文献も訳されておらず、専門の哲学者達が英語で読んで終わっていたらしい。紹介される文献も似通っており、今からはいっても勉強はしやすいものと思われた。2023/12/27
いかすみ
2
人生の意味を分析哲学的に追求する本。たとえば「意味」について厳格に定義して、人生の意味について迫っていく。私は分析哲学の知識が皆無なので、本書の前半は読むのが退屈だったり、理解が苦しかったが、後半は楽しめた。森岡正博さんの章では、人生の意味には3つの層があると指摘されている。主観説、客観説、独在説の3つである。主観的に人生の意味を感じているか、客観的に見てその人の人生の意味があるか、世界で独りだけの自分にとっての人生の意味をそれぞれ表現している。本書を手掛かりに、自分自身の意味を探る必要性を感じた。2024/03/20
RF
1
「人生の意味は何か」という問いに対する分析的アプローチによる入門書。そうであると同時に、現代の分析哲学が過度にアカデミズムと客観性を重視するがあまり、ただ途方もなく「人生の意味」の言い換え表現を探し続けているだけの活動に成り下がっているというような指摘もなされていた。しかし、そうした活動も個人的な問題としての人生の意味を考える素材になるのではないかという考えのもと、読者にとっての「人生の意味」に立ち向かわせるために書かれたような本だと感じた。 2023/12/30