内容説明
コロナ禍のステイホームで急増したペット需要。
ネット上に拡散される野生動物との触れ合い動画の数々。
容易く供給される「かわいい」「癒される」のその先に、病気や事故、そして決して避けられぬ「死」があることを、私たちはどのくらいちゃんと理解できているでしょうか。
――動物も生きている限り、死に至る。
それは、ごく自然の営みの中で起こることが大半ですが、ロードキルや誤飲、中毒、寄生虫やウイルスへの感染、栄養不足、虐待や飼育放棄といった、直接・間接的に人間が関わっていることもあります。
そのことに目を背けず、「かわいい」だけではない動物たちの現実を知るということ。
本書は、「死んだ動物を診る」病理学専門の獣医が、遺体と向き合う日々の中で学んだこと、感じたこと、最後の診断で聴いた動物たちからのラストメッセージを綴ったエッセイ。
起きた出来事をただ嘆くのではなく、たくさんの「生」につなぐために--「命」への希望と責任を問う一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
99
著者は動物の遺体から、生きていた「過去」に何が起こっていたのかを究明する獣医病理医。死んだ動物に敬意を表して死体とはいわない“なるほど!ザ・ワールド”。野生動物やペットがどのような病気にかかり、どのように死亡したのか、獣医でなければわからないことが書かれている。遺体袋を開けた瞬間にどんな動物かわかるというにおい、人間の敷いた道路による影響で野生動物が死ぬ「ロードキル」、ペット動物として日本に入ってきた40~100キロのミニブタと20~40キロのマイクロブタ、エキゾチックアニマルのことなど、→2024/12/21
jam
70
銀河系の恒星は約2千億、人ひとりの細胞は約3兆2千億。シロナガスクジラは人の15倍あるという。獣医病理医である著者が死後の動物を病理解剖し、死因をつきとめる。動物の死も人の死も意味することに変わりはない。私たちは他の生命をいただきながら生きている。生きることの究極は、それに尽きる。動物や植物にどこまでの思考があるのかは定かではないが、彼らは摂理のままに生きて死ぬ。そして、細胞のひとつひとつがひとつの生命を構成することは、森羅万象の摂理とも違わない。物言えぬ生命のなんと愛おしいことか。物言えぬがゆえに。2024/03/03
kanki
25
獣医の病理解剖。リス連続死の原因特定。捕獲性筋疾患から腎不全へ。生肉だけだと栄養偏る。動物と共に暮らすために大事な仕事だ。2024/08/13
tomtom
19
獣医病理医という職業は初めて聞いたし、動物園で死んでしまった動物も、園の獣医ではなくて専門の獣医病理医が解剖していることも初めて知った。子どもの頃からブタを飼いたいと思っていたけど、病気とかまだ分からないことも多くやっぱり簡単に飼うことは出来ないなと思ってしまった。2024/02/20
ゼンタンくじら
16
獣医病理医として動物の解剖を行うことで、物言わぬ動物の「死」を学び「生」と向き合っている著者。人間の無知さ身勝手さに心が痛くなる部分もあったけど、著者の動物たちへの愛情と飼い主への配慮など著者の優しさも感じられたりして、とても学びになりました。動物と人間との距離が近くなり、家族のような存在になってきている。共生していく以上もっと動物たちの事を知らなければならない。2025/07/20
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