内容説明
【第37回三島由紀夫賞受賞作】
【第47回すばる文学賞受賞作】
【選考委員激賞!】
私の中にある「小説」のイメージや定義を覆してくれた。――金原ひとみさん
この青春小説の主役は、語り手でも登場人物でもなく生成されるバイブスそのもの――川上未映子さん
(選評より)
このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、高2の僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。
そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。
でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普通の人が合わせるピントの外側にはまったく知らない世界がぼやけて広がってた――。
圧倒的中毒性! 超ド級のデビュー作!
ティーンたちの連帯と、不条理な世の中への抵抗を描く第47回すばる文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
219
デビュー作にてすばる文学賞受賞作ということで読みました。 小説というよりもラップを読んでいるような読書体験でした。著者は近い将来、芥川賞を受賞するかも知れません。 https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/midoriiseki/2024/03/11
hiace9000
123
川上さんの羅列関西弁文学に、金原さんの跳ねてく会話文学を掛け合わせ、ドラッグに流し込んでシャッフルしたメントスコーラ動画を観ているよう。伊坂さん『重力ピエロ』の斜め上行く書き出し一文目! 一文で17行を突っ走ってしまう迷文には、もはや名文の感すらあり。純文とラノベの危ういエッジを全力で掛ける疾走感で、なんだ?なんだよ?と読ませ切ります。ぐるぐるしながら滴っていく、チカチカとハレーション気味の脳内、そのバイブスを文字で表出したら、こうなると。文学への挑戦の気概が買われたすばる文学賞、なんかすごいの一気読み。2024/05/11
R
95
かつて、文語しかなかったところへ口語小説が現れた時、こんな感じだったんだろうかと思いつつ読んだ。基本会話劇なのだが、その会話がある意味難解で、多分合ってるだろうなと解釈しながら読んだのだけども、ところどころ正気に戻ったようにハラリだったかが出てきたりしつつ、乱れ切った日本語とでもいうような文章を過剰摂取した。そのせいか、最期が叙述トリックの種明かしだったのか判別つかなかったんだが、友情青春といった、よくあるお話だったと思うのだけど、本当にあってるかな。2024/07/08
はにこ
84
話題になっていたので手に取る。初めからの若者スラングに全くついていけず内容もままならないので断念しようかとも思ったんだけど、何とか進める。薬の売人をすることに巻き込まれたモモち。薬に縁がないから(当たり前か)ヤルとこんな感じなのかと思ったりした。自分には想像できない世界だけど、若者の薬の問題がニュースになるので現実にもあるんだろうね。2024/07/07
道楽モン
81
本作がデビュー作ながら、すばる文学賞&三島由紀夫賞。ぶっ飛んだ受賞スピーチが話題となった作者だが、作品も衝撃的な程に普通じゃない。冒頭10ページの濃密な若者言葉の羅列に、驚きとともに感動を覚える。文学はなんと自由なんだろう。そして作者は自由な文体、自分のビートで現実の不自由さと欺瞞に異議を申し立てる。初球に剛速球の大暴投で相手を威嚇するピッチャーが作者であり、その相手は戦争を停めることすら出来ないクソな現実だ。作中の行為は真っ当な世の中では犯罪だが、狂った世界では愛と平和の行為だ。中身は見事な青春小説。2024/05/19
-
- 電子書籍
- デスマーチからはじまる異世界狂想曲【分…
-
- 電子書籍
- ジンクスの恋人【タテヨミ】第33話 p…
-
- 電子書籍
- 週刊エコノミスト2018年3/26号
-
- 電子書籍
- ボスニアンクロッシェのこもの 北欧のか…
-
- 電子書籍
- RIDERS CLUB No.198 …