内容説明
険しい山間で猫又妖怪とひっそりと暮らす少女・紫乃は、ある日川から流れてきた美しい男――皇帝・凱嵐を助ける。
「御膳所で働くか、この場で斬って捨てられるか……どちらでも好きな方を選ぶが良い」
紫乃の料理に惚れ込んだ凱嵐に強引に連れ去られた先は、皇帝が住まう豪奢な天栄宮。紫乃は、皇帝の口に合わない食事を作れば首を刎ねられると噂の御膳所の「料理番」に任命されてしまう! 礼儀作法も知らない紫乃に周囲は反発するが、次第に彼女の料理で宮廷は変わっていき――!?
「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」カクヨムプロ作家部門《特別賞》を受賞した、成り上がり宮廷グルメ物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
38
中華系の本ねぇ・・悪い皇太后がのさばっているのかと思いながら読み始める。先入観を持たずに読めばいいものを^^; 山奥で猫又と暮らす紫乃は川で桃太郎ならぬ皇帝・凱嵐を拾った。山奥育ちで礼儀作法も知らない紫乃に出来るのは美味しい食事を皇帝に作ること。こんな田舎者の小娘が・・と反発を喰らうもどうやら御膳所の「料理番」に昔母親がいたような・・。皇帝との仲は程々、怪しげな皇太后は今だ登場せず。きっと続きがあるんでしょうね 2025/02/12
ぱんだ
8
unlimitedで。 面白かった。色々と伏線が回収されてないから、続きが出て欲しいな。 皇帝と紫乃の出会い〜紫乃を宮廷に連れていくまでの攻防が個人的には大盛り上がりでした。2025/03/06
栗山いなり
8
山奥でひっそりと暮らしていた紫乃が宮廷にて料理の腕を披露する様を描いた中華グルメファンタジー。いやー意外にも面白かった。テンポも良いし笑える部分も結構あったし、中華ファンタジーとしての要素もしっかり盛り込まれてた印象2024/02/24
十六夜
7
読んでいるとひたすらにお腹がすく作品。ご飯もの作品をたくさん出されている作者様だから料理と食事の描写が秀逸。ヒロインの塩対応っぷりが徹底していて逆に首を刎ねられないかと読んでいるほうがヒヤヒヤするほど。皇帝ヒーローはまったくかまわない様子ではあったけれど。物語としては白米食べすぎ江戸患いを解決することでひとまず一巻終了。ヒーローの敵である先代皇帝の妃や、ヒロイン母は何者かという謎が残っている感じ。猫又の妖怪が猫耳ありのショタになれるのがなんとも可愛い。2024/02/17
色素薄い系
5
面白かったです。料理に関しては譲れないし熱くなるのにそれ以外は淡白な紫乃。あとがきにもあったように紫乃の母親や黒羽との関係、名前だけしか出てこなかった白元妃の件など謎や片付いてない事案があるので続きが読みたい。ねこまたで長生きのはずなのに全然人間社会を理解してない花見が可愛かったし、火が出せる件に関して聞かれた時に「よく分からないけど火よ灯れーって思うと出てくる」って返した緩さが特に可愛い。2024/03/31