技術の倫理への問い - 実践から理論的基盤へ

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技術の倫理への問い - 実践から理論的基盤へ

  • 著者名:金光秀和
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 勁草書房(2024/02発売)
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  • ISBN:9784326103294

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内容説明

従来の「技術の倫理」研究の多くが個別の方法論に基づくものでしかなかったのに対し,既存の各方法論を包括的に比較分析,その長所と限界をまとめ技術の哲学に基づく考え方を提示。「技術的媒介に基づく技術の倫理」というアプローチの有効性を示す本書は,技術倫理と技術哲学とを融合し議論の活性化を促す学術的価値ある一冊である。

目次

序 章 技術の倫理という問い
 1 なぜ技術を問うのか
 2 問いの立脚地――科学の危機と技術批判の萌芽
 3 本書の目的
 4 本書の構成

第1章 技術者倫理の歴史的概観
 1 歴史的概観
 2 国際的な広がりを見せる技術者倫理
 3 専門職倫理としての技術者倫理と技術哲学に基づく技術倫理
 4 まとめ

第2章 専門職としての技術業と倫理綱領――専門職倫理としての技術者倫理の内実
 1 専門職の古典的定義と技術業
 2 プロフェッションと自律性――プロフェッション社会学の動向
 3 プロフェッションと倫理綱領
 4 まとめ

第3章 技術者倫理と公衆に対する責任――専門職倫理としての技術者倫理の課題
 1 技術業(engineering)の社会に及ぼす影響と公衆に対する責任
 2 公衆に対する責任をめぐる議論――「公衆」とは誰のことか
 3 公衆に対する責任の再解釈――公衆の安全、健康、福利を実現するために
 4 技術者と公衆の協働に向けて
 5 まとめ

第4章 設計としての倫理――技術者倫理の方法論の検討
 1 ウィットベックによる応用倫理学の方法論に関する歴史的概観
 2 倫理問題と設計問題のアナロジー
 3 倫理問題と設計問題のアナロジーの批判的吟味
 4 設計という営みの体系的考察の必要性
 5 まとめ

第5章 技術的媒介と技術の倫理学――技術をめぐる新たな倫理学的考察
 1 現代社会における技術
 2 技術的媒介の概念
 3 技術的媒介と技術の倫理学
 4 技術の道徳化の実践――媒介の設計
 5 新たな技術の倫理学の可能性
 6 まとめ

終 章 「技術の倫理への問い」の進展に向けて――今後の展望
 1 本書が明らかにしたこと
 2 技術の倫理への問いの現状と課題
 3 視点の提示――今後の展望

あとがき
参照文献
事項索引
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

18
技術者倫理から倫理の実践について考える。技術者は自律した専門職と言えるのか。公衆に対する責任はどのように果たされるべきか。技術者は倫理的問題に対処するためにどのような能力を身につけるべきなのか。こういった問題を概観する中で、技術者の内在的視点を越えて、技術についての哲学的考察の必要性が指摘される。技術者集団は自ら倫理綱領を作成してきたが、それがメンバーを縛ることで外部からの圧力への抵抗が可能になるとするデイビスや、技術者に求められるのは設計に類した問題解決能力だとするウィットベックなどの説が興味深かった。2024/06/18

Bevel

7
「公衆の安全、健康、福利の重視」という倫理綱領が技術者をジレンマから解放し、その倫理綱領の履行とその確認のために、学協会が主導して適切なコミュニケーションを進めることと公衆の側の最低限のリテラシーも必要。そのうえでウィットベックの「行為者中心主義アプローチ」から見る設計の考え方とフェルベークの「技術的媒介」から技術評価の観点を担保する感じ。既存の技術者倫理からなんとかラトゥール的な世界観にたどり着くという議論で、ストーリーがシンプルかつ薄味感はあるのだけど、引用してる人面白そうだなと思った。2024/02/14

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