内容説明
従来の「技術の倫理」研究の多くが個別の方法論に基づくものでしかなかったのに対し,既存の各方法論を包括的に比較分析,その長所と限界をまとめ技術の哲学に基づく考え方を提示。「技術的媒介に基づく技術の倫理」というアプローチの有効性を示す本書は,技術倫理と技術哲学とを融合し議論の活性化を促す学術的価値ある一冊である。
目次
序 章 技術の倫理という問い
1 なぜ技術を問うのか
2 問いの立脚地――科学の危機と技術批判の萌芽
3 本書の目的
4 本書の構成
第1章 技術者倫理の歴史的概観
1 歴史的概観
2 国際的な広がりを見せる技術者倫理
3 専門職倫理としての技術者倫理と技術哲学に基づく技術倫理
4 まとめ
第2章 専門職としての技術業と倫理綱領――専門職倫理としての技術者倫理の内実
1 専門職の古典的定義と技術業
2 プロフェッションと自律性――プロフェッション社会学の動向
3 プロフェッションと倫理綱領
4 まとめ
第3章 技術者倫理と公衆に対する責任――専門職倫理としての技術者倫理の課題
1 技術業(engineering)の社会に及ぼす影響と公衆に対する責任
2 公衆に対する責任をめぐる議論――「公衆」とは誰のことか
3 公衆に対する責任の再解釈――公衆の安全、健康、福利を実現するために
4 技術者と公衆の協働に向けて
5 まとめ
第4章 設計としての倫理――技術者倫理の方法論の検討
1 ウィットベックによる応用倫理学の方法論に関する歴史的概観
2 倫理問題と設計問題のアナロジー
3 倫理問題と設計問題のアナロジーの批判的吟味
4 設計という営みの体系的考察の必要性
5 まとめ
第5章 技術的媒介と技術の倫理学――技術をめぐる新たな倫理学的考察
1 現代社会における技術
2 技術的媒介の概念
3 技術的媒介と技術の倫理学
4 技術の道徳化の実践――媒介の設計
5 新たな技術の倫理学の可能性
6 まとめ
終 章 「技術の倫理への問い」の進展に向けて――今後の展望
1 本書が明らかにしたこと
2 技術の倫理への問いの現状と課題
3 視点の提示――今後の展望
あとがき
参照文献
事項索引
人名索引
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buuupuuu
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