岩波少年文庫<br> ぼくが子どもだったころ

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岩波少年文庫
ぼくが子どもだったころ

  • ISBN:9784001146288

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内容説明

貧しい家に生まれたひとり息子は,両親の愛情をまっすぐに受けとめて育ち,働きづめの母親を懸命に支えた.大好きな体操,個性的な先生たち,つらかったクリスマス,大金持ちになったおじ,母親との徒歩旅行……軽妙かつ率直に語られる数々のエピソードが胸に迫る.ケストナーのエッセンスがつまった傑作自伝,待望の新訳.

目次

まえがきのない本なんて
第1章 ケストナー家とアウグスティン家
第2章 小さなイーダと兄弟たち
第3章 将来ぼくの親になるふたりがついに出会う
第4章 トランク,腹帯,ブロンドの髪
第5章 ケーニヒスブリュッケ通りとぼく
第6章 先生,先生,先生ばっかり
第7章 大車輪と入学式のお菓子の袋
第8章 だいたい八歳の男の子がだいたい一日にすること
第9章 人生のささいなことがらについて
第10章 深刻な結末をむかえたふたつの結婚式
第11章 子どもの悩み
第12章 フランツおじさん,大金持ちになる
第13章 アルベルト広場の邸宅
第14章 レーマン先生のふたつの顔
第15章 母,水を行き,陸を行く
第16章 一九一四年
最後にあとがき
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

37
あっ、ケストナーにこんな本があったんだ!とビックリして手に取りました。初版は1957年。絵も懐かしい感じ。昔子どもの頃読んだ本のかおりがします。この作家さんがどうしてこんな作家さんになったんだろう?という私の好奇心は、裏切られませんでした。思わず笑ってしまうようなエピソード、皮肉たっぷりな世間の描写はまさにケストナー節!…そんな中でお母さんを語る言葉には深い愛と悲哀が感じられてどきっとしました。彼は自分の中の子どもにも文章を書いていたのかなあ…。2023/11/29

Roko

27
子ども時代のいたずらや体験が彼の作品に大いに生かされていたということが、この本を読んでよくわかりました。馬を売買してお金持ちになった伯父さん夫婦のこと、体罰をする先生のこと、働く子どもたち、母親と山を歩いたり、お芝居を見たりしたこと、父親がランドセルを作ってくれたこと。ドレースデンという美しい街で育ったこと、1945年の空襲でこの街が破壊されてしまったこと。エーリヒ・ケストナーという人の繊細さも強さも、すべてがこの子ども時代に培われたものなのです。様々な経験を彼に与えてくれた両親や町の人たちに感謝です。2023/09/26

北風

14
ロッテや点子ちゃんが好きなので、ケストナーのエッセイということで興味津々。他の作品には、やはり彼の人生が詰まっていた。探偵エーミールに、アントンなど、彼自身が反映されているのがわかる。あとは、飛ぶ教室とかね。基本、貧しくても頑張ってるのは、ケストナーの子供時代も同じなんだな。つか、犯人を尾行するって、実際にしていたなんて! 彼は、親戚のおじさんたちみたいに金持ちになろうとはしなかったのか。お母さん頑張り過ぎ。息子のために、献身的すぎて追い詰めていたのが、なんか、…いつの時代も母親の愛情は強し。2023/08/27

キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言

6
ケストナー自伝。ケストナーは如何にして出来上がったのか。読み口は楽しいが、多分にシビア。2023/11/14

うりこ

4
ケストナー4冊目。「いちばん大切なのは、楽しかろうが悲しかろうが、子ども時代だ。忘れられないことは忘れてはいけない!」父親のことはさらりと書いてある。ところが、母親のことは一心同体のように、親密に、愛情こめて記録している。P61〈ぼくは存在していて、そのことをぼくは心の底からうれしく思う。〉のことばに胸を突かれた。ナチスに自分の本を焼かれたり、命の危険もあったけれど、ドイツを愛し、子どもたちを愛し、母親を愛し、本を書くことを愛していた人は、行きつ戻りつ、とことん自分自身を語っている。すごい人だなあと思う。2024/01/24

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