奔流

著者名：田中芳樹【著】

らいとすたっふ（2024/01発売）

• ISBN：9784396631284

内容説明

中国の南北朝時代、北朝の魏は南朝の梁を征服するべく、八十万の大軍をもって侵攻した。迎え撃つは若き天才武将、陳慶之。両軍は淮河のほとりで激突する。壮大なスケールで描く南北朝の戦いに男装の麗人の悲恋がからむ、中国歴史小説の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[本木英朗]

日本の歴史小説家のひとりである、田中芳樹の、中国歴史小説のひとつである。6世紀初頭、南北朝時代の中国。北朝・魏は、建国して間もない南朝・梁への侵攻の機会を伺っていた。梁側では、その軍事的天才により王への信頼篤い弱冠23歳の将軍・陳慶之が魏の来航に対する来攻に備えを固める。ついに、国境を流れる淮河の畔、鍾離の地に中山王・元英率いる魏軍80万が押し寄せてきた。対する梁軍は30万。はたして陳慶之と梁軍は、圧倒的な大軍を撃退できるのか？という話である。これは5回目くらいだったろうか？（→）

2023/04/10

[史]

陳慶之というより楊大眼の話でもありそうな気がする。むしろ曹景宗に惚れる。合間には挟まれる恋物語なんてものもあります。北魏と梁の最盛期における大いなる諍い。その中で陳慶之という英傑が感情を揺さぶらせながら一つ芽吹いていく。一番大事な北伐がおまけでダイジェストになってしまっているのは少し物足りなさがあるものの、天才将軍の若き頃と踏まえたらそれもまたよし。余談だが実は文庫版を読んだことがありますが、何度読んでも楽しめる物語でしょう。好きですねえ。

2025/07/06

[魯波]

銀英伝ファンが、読んだらまず間違いなく陳慶之に銀英伝のヤンの姿をダブらせてしまいそう。でもそんな所がまたたまらない、歴史物は疎い方ですが 読み始めると、グイグイ物語に引き込まれてしまう。 田中さんって凄いなぁ・・・

2013/06/12

[更新停止しました。ありがとうございました。]

後付でヤン・ウェンリー氏のモデルとされているのも納得。ついでにビュコック提督もいらっしゃいました。

2010/07/02

[ふみ]

本書の時代設定である中国南北朝はおろか、三国志さえよく知らない状態で手を出してしまいました。はじめは出てくる人の名前がなかなか覚えられず、自分のメモリのなさを嘆きつつ読み進めていましたが、おおかたの主要人物が出そろったときにはすっかり物語の虜に。2つの国が戦っているのだけど、どちらも魅力的な人物ばかりで、一方的な視点にならないのが、面白さの秘訣なのかな。

2025/02/08