角川文庫<br> 老神介護

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角川文庫
老神介護

  • 著者名:劉慈欣【著者】/大森望【訳者】/古市雅子【訳者】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • KADOKAWA(2024/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041145586

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内容説明

●突如現れた宇宙船から、次々地球に降り立った神は、みすぼらしい姿でこう言った。「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかの」。神文明は老年期に入り、宇宙船の生態環境は著しく悪化。神は地球で暮らすことを望んでいた。国連事務総長はこの老神たちを扶養するのは人類の責任だと認め、二十億柱の神は、十五億の家庭に受け入れられることに。しかし、ほどなく両者の蜜月は終わりを告げた――。「老神介護」
●神文明が去って3年。地球で、もっとも裕福な13人がプロの殺し屋を雇ってまで殺したいのは、もっとも貧しい3人だった。社会的資産液化委員会から人類文明救済を依頼された殺し屋は、兄文明からやってきた男から、別の地球で起こった驚愕の事態を訊かされる。「扶養人類」
●蟻と恐竜、二つの世界の共存関係は2000年以上続いてきた。恐竜世界の複雑なシステムは、蟻連邦によって支えられていたが、蟻世界は恐竜世界に核兵器廃棄を要求、拒絶されるとすべての蟻はストライキに突入した。「白亜紀往事」
●僕が休暇を取る条件は、眼を連れていくことだと主任は言った。デイスプレイに映る眼の主は、若い女の子。ステーションにいる彼女の眼を連れて、僕は草原に旅行に出かけた。宇宙で働く人は、もうひと組の眼を地球に残し、地球で本物の休暇を過ごす人を通して仮想体験ができるのだ。「彼女の眼を連れて」
●74年の人工冬眠から目覚めた時、地球環境は一変していた。資源の枯渇がもたらす経済的衰退を逃れようと、「南極裏庭化構想」が立案され実行された結果、深刻な事態が起こっていたのだ。「地球大砲」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

31
宇宙船の生態環境が著しく悪化して、地球で暮らすことを望んだ老いた神を扶養することを決めた人類とその破綻を描いた表題作ほか5つの短編集。神文明が去って3年、地球でもっとも裕福な13人がもっとも貧しい3人をプロの殺し屋を雇ってまで殺したい理由、蟻のストライキにより決裂した2000年以上続いてきた恐竜との共存関係、ステーションにいる彼女の眼を連れて草原への旅行する仮想体験、74年の人工冬眠から目覚めた主人公が目の当たりにする深刻な事態。前提が違う常識が噛み合わない悲喜劇をシュールに描いた物語は興味深かったです。2024/01/22

わたなべよしお

21
短編は、あまり読まないのだけれど、どれも面白い。どれも先の読めない展開のうえ、作品の奥行きというか世界、地球、宇宙が感じられる。「流浪地球」も読まなきゃ。2024/02/16

Fondsaule

17
★★★★☆ 「老神介護」 「扶養人類」 「白亜紀往事」 「彼女の眼を連れて」 「地球大砲」 5編の短編集。 話がでかい。 「彼女の眼をつれて」がいい。2024/04/01

Kano Ts

17
面白い!「老神介護」は他の短編集で読んだ記憶がありましたが、その続編的な話もあるとは驚きです。中国SFの仄暗い感じも健在でした。気軽に読むことが出来て中国SFを満喫できるのはいいですね。2024/01/30

9
過去に未来に、地球の外に中にと、スケールが大きい。地中に未来を広げるのは個人的に初めてだったので、印象的だった。地球の最深部に一人閉じ込められる孤独の大きさよ...2024/03/05

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