内容説明
「私のことステラって呼んでね」初めて会った日、彼女はそう言った。つくり話のような自慢をする都会的なステラに、田舎から東京に出てきたフミコは憧れと嫉妬を抱きつつ、彼女と一緒に暮らし始めるが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
この
2
装丁が新しい割に舞台設定が結構前の小説なのかなと思いつつ読んでいたが、初版発行が昭和64年で改訂初版が最近とのことだった。そして林真理子の初小説。内容は短編二本とどちらも人間のエゴをギュッと濃縮したかのようなものだった。二本目は割と胸糞で読んでて結構苦い思いをさせられた。読み易さもさほどなかったように思えたのは内容由来の物か。ただ人間の奥底に秘めたような感情をありありと描く内容であったというのは面白かったと思う。2024/01/25
のんの
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「進学のために地方から出て東京で就職した富美子は、傲慢だけど魅力的で、個性的な女ステラと出会う。彼女に「本物」と認められたことで、富美子は献身的にステラを支え始めるが…。表題作に「だいだい色の海」を併録。」2024/04/21
ちえぞぅ
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ミーツザワールド(金原ひとみ)の話と星影のステラが同じことを書いてると言ってたような気がしたので読んでみました。自分(主人公)とは違う世界の人と同居して新しい世界を体験するという点では同じかな。もう一話だいだい色の海はなんだかよくわからなかった。父親にも兄にもコンプレックスを持っている青年の話。2024/03/04
ごま
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新装版なので購入。田辺聖子さんの解説が良き。今でこそ文学界の重鎮感のある林真理子だけど、本書刊行時はまだ「斬新な感覚を持つニュースター(でも本人は田舎出身の愛されキャラな女の子)」って存在だったんだなぁと懐かしくなりました。ステラも葉子(←主人公がステラと知り合った店の店主)も、今の時代ならすごい香ばしいインスタやってそうww2024/02/15