内容説明
「私のことステラって呼んでね」初めて会った日、彼女はそう言った。つくり話のような自慢をする都会的なステラに、田舎から東京に出てきたフミコは憧れと嫉妬を抱きつつ、彼女と一緒に暮らし始めるが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
クプクプ
66
林真理子の小説デビュー作だそうです。中編が二話、おさめられています。美容師ではない人が髪を切ったり、巨峰の味や、指先の濡れ具合、汚れ具合が伝わってきて、そういえば80年代って、こんな時代だったな、と懐かしく思い出しました。軽い文章で、ところどころ、描写力が光ります。林真理子の本とは、上手く距離をとりながら、これからも、付き合っていきたいと思います。2026/04/02
播州(markⅡ)
6
作り物めいた人々ばっかり。喫茶店の店主に同僚に元カレ、もちろんステラも。浮ついた世界に対する反発とホンモノへの憧憬。そこに立ちはだかるちっぽけな現実というどうしようもない壁。受け入れる側に余裕がなければ、目の前の卵のほうが大事に感じてしまう時がいつか来てしまう。2025/12/26
椛島ゆうだい
5
少し特別になりたい高校生みたい。人物に共感はできるけど傲慢。少し退屈。2025/01/09
まつ
4
中高生以来の林真理子作品。 二篇が収録されているが、ともに若者の屈折しつつも瑞々しい感情の動きが感じられて、とても良かった。それほど登場人物も多くなく、舞台も生活圏に留まるようなこじんまりとした小説世界の中で、主人公が登場人物に対し、憧憬、苛立ち、軽蔑など、正負両面の感情を率直に抱いていくさまが、今の自分にはない活き活きとした感性を感じさせた。 40年ほど前の作品ということで、時代のギャップを感じる側面もあったものの、そういった時代に描かれているからこそ、感じ取れたものもあったように思う。2024/11/02
この
4
装丁が新しい割に舞台設定が結構前の小説なのかなと思いつつ読んでいたが、初版発行が昭和64年で改訂初版が最近とのことだった。そして林真理子の初小説。内容は短編二本とどちらも人間のエゴをギュッと濃縮したかのようなものだった。二本目は割と胸糞で読んでて結構苦い思いをさせられた。読み易さもさほどなかったように思えたのは内容由来の物か。ただ人間の奥底に秘めたような感情をありありと描く内容であったというのは面白かったと思う。2024/01/25




