母子月 ~神の音に翔ぶ~

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母子月 ~神の音に翔ぶ~

  • 著者名:麻宮好【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 小学館(2024/01発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093867061

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内容説明

歌舞伎役者が命を懸けて守りたかったもの。

公演中に毒殺された歌舞伎の女形――驚愕の事情と意外な下手人!

女形の歌舞伎役者・二代目瀬川路京は人気低迷に足掻いていた。
天に授けられた舞の拍子「神の音」が聞こえなくなっていたのだ。
路京は座元と帳元の強い勧めもあり、現状打破のため、因縁の演目を打つことに。
師匠の初代路京が舞台上で殺され、さらに瀬川家が散り散りになったきっかけの「母子月」だ。
子役として自分も出演した因縁の公演を前にして、初代殺しを疑われた者たちが集まってくる。
真の下手人は誰なのか?
初代はなぜ殺されてしまったのか?
終幕に明かされる真相に涙を流さずにはいられない、感動の時代小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

150
歌舞伎の世界の光と影。34年前の初代瀬川路京毒殺の真相が、同じ演目『母子月』を再演することにより暴かれる顛末。歌舞伎界だけじゃない、人の心に巣喰う妬みや僻み、孤独感・・諸々の闇が晒されるのが痛いほど上手い。二代目路京が与一と呼ばれ、芸の世界に足を踏み入れた頃のそれぞれの思いが絡み合う。才能とか師弟とか親子とか・・そしての犯人に気持は重い。だがしかし、本作で私が一番惹かれたのはまさかの直吉だ。始めはイヤな奴だなと思ったのに、遂にはこれぞ人間臭くて追いかけていたのだ。麻宮さん天晴れ!2024/03/11

ちょろこ

121
心揺れ続けた一冊。ただ一つの願いのために人はどれだけの想いを抱え溢れさせるのかを強く見せられた物語。現在と過去を行き来しながら紐解かれていく歌舞伎界の人間模様と交錯する想い、そしてあの時。自分の心の中を丁寧に掬い取っては何が一番大切で、何を捨てどうするべきかを選び行くそれぞれの細やかな心情描写が秀逸。言葉が沁み入ると同時に優しき心、負の心の芽という良くも悪くも人の心を存分に知り、共に心揺れ続けたほど。人と人との心は時にすれ違い回り道。でもその分、知り得た時の貴さを思う。たどり着いた真相と景色に見事に落涙。2024/03/07

タイ子

91
歌舞伎の世界。主人公は女形の歌舞伎役者2代目瀬川路京。34年前に舞台上で初代路京が毒殺された。その時舞台にいたのが今の2代目路京、その頃は与一と名のっていた。犯人は実子の円太郎でその後母子共々大阪に行ってしまう。今再びその演目「母子月」が演じられようとする時、路京(与一)の頭に浮かぶ30数年前の様々な出来事。それはまさしく歌舞伎界の光と影であり、嫉妬と憎しみ、そして深い愛情でもあった。今と過去が並行に描かれる中で、路京を貶めた者、支えてくれた者、愛してくれた者、この心象風景がとてもいい。心が震える一冊。2024/02/22

ケイト

57
かつて【神の童】と言われた歌舞伎役者 後の二代目瀬川路京、人気低迷を打破するためにある演目を打つことに。それは瀬川家が破綻した因縁の演目だった。三十数年間隠された謎が明かされた時、その真実に涙する。人の心に潜む邪悪なもの。切っても切れない母と子の絆。頂点に立つものの孤独と葛藤。時を経て移ろう心と決してぶれない心。色々な人々の想いがここに終結する。麻宮さん今回もお見事でした。2024/04/02

hirokun

37
★4 麻宮好さんの作品は、警察小説新人賞受賞作『恩送り』に続き2作目。今回は、芝居役者を主人公にした推理小説?しかし、私にとっては、芸人を通して芸に人生を懸け、芸を磨く事の厳しさとともに、恨み、妬み、怒りなど人間の持つ負の感情が殺人をも実行させる恐ろしさを表現しようとしていたのではと感じた。途中までは、少し冗長な感じがして読書スピードも上がらなかったが、中盤以降はストーリーに引き込まれ一気読み。この作品は時代小説といえるのかよく分からないが、興味深く読めた。2024/03/04

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