内容説明
国境を超えて共鳴し、つながりあう「拡散」現象の運動史・思想史からの検証。19世紀末から20世紀後半のアジア・アメリカ・ヨーロッパで起きた、拡散に関わる七つの事例をもとに、新たに生み出され続ける社会運動と思想の歴史をダイナミックに描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rune
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19c末−20cにおける社会運動・思想のグローバルな拡散を主題とした論集。本書において「拡散」とは特殊な意味を込めて設定された術語である。すなわち、ある運動・思想に関する情報が国境を越えてひろめ散らされた結果、その受信先において、似通った運動・思想が発生したり、大きく姿を変えた運動・思想が創造されたりする一連の現象を指す。こうした研究の背景には、アラブの春からスペインの15ーM運動、さらには「ウォール街を占拠せよ!」へと至る「広場の占拠」運動をはじめとして、「拡散」の事例が頻発する現代の状況がある。2023/03/12