奔流 コロナ「専門家」はなぜ消されたのか

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奔流 コロナ「専門家」はなぜ消されたのか

  • 著者名:広野真嗣【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2024/01発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065344651

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内容説明

政権と世論に翻弄され、闘った「専門家」たちは何に敗れたのか?
小学館ノンフィクション賞大賞受賞の気鋭ライターの弩級ノンフィクション

尾身茂、押谷仁、西浦茂──感染症専門家たちは、コロナ渦3年間、国家の命運を託された。だが彼らは政権に翻弄され、世論に翻弄され、やがては身を引いた。日本にとって、コロナとは何だったのか? 長期取材を経た筆者が、専門家たちの苦闘の本質を描く。なぜ、彼らは消されたのか? 衝撃のドキュメント。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

123
科学と政治ほど相性の悪いものはない。合理的な計算による明確な証明に基づき進めるのが科学なら、非合理の極致である人の心や社会的矛盾を合目的に縫い合わせるのが政治なのだから。コロナのパンデミック下にあって理系独裁者の習近平率いる中国はゼロコロナ政策を貫徹したが、日本では専門家の疾病治療と政治家の経済維持という異なる優先目的が正面衝突した。WHOに勤務し政治もわかる尾身氏が仲立ちしてすり合わせていったが、御用学者しか望まない政治家にとっては忌々しいだけの存在だったのだ。いわばコロナ禍を通してみた政治論といえる。2024/03/13

おかむら

27
コロナ禍の3年間、専門家たちと政府そして移り気な国民(私含む)の攻防戦ノンフィクション。第何派がいつどんなだったかついこないだだったのにこんなにも記憶があやふやになってる自分にびっくりしたわ…。でも色々思い出した! 尾身さんそういえば総理の会見の時に必ずそばにいたよな(菅さんまでは)。あんなに矢面にたたざるを得なかった経緯を知ったいま表紙をみるとジーンとするわ。コロナ対応の功労者に国がちゃんと報奨している英米と比べて日本はあんまりだというのはもっとも。出てくる専門家の中で私の推しは押谷さんです。2024/04/06

しーふぉ

19
元々雑誌からコロナの専門家のことを書いて貰いたいという依頼の性質上しょうがないのかもしれないが、対立軸としてしばしば批判的に書いている政治家についても、きちんと取材して反論させないとノンフィクションとして不完全な印象になってしまった。誰もが未経験の出来事を総括する仕事は必要です。政府が出しているレポートは20枚程度らしいのですが…2024/02/25

どら猫さとっち

11
日本に新型コロナウイルス蔓延したとき、国家の命運を託された感染症専門家たち。しかし、顕彰されることなく、消えていった。彼らは今何を思い、振り返るのか。渾身のノンフィクション。政府は専門家たちを、言い方が悪いながら、都合よく使い捨てにされたのではないか。生命か経済かで揺れたコロナ禍、専門家の言葉を真摯に受け止め、彼らを賛辞を惜しまず表彰するべきではなかったか。読後は微かに怒りがこみ上げる。2024/04/03

hideto

11
新型コロナの感染が始まってから早4年。学校休校、緊急事態宣言、アベノマスク、無観客の東京五輪等々。特に、2021年は東京五輪が足かせとなって思い切った感染防止策が取れなかったような気がします。これは、そんな4年間を、専門家達の動きを中心に振り返る一冊です。批判の的となることの多かった専門家達ですが、必死に未曽有の危機に立ち向かったのは確か。その一方で得た称賛の少ないこと。もっと、専門家達へ感謝すべきであるし、ちゃんとした総括をしておかなければ、次のパンデミックは防げないのでは?と思いました。2024/02/12

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