内容説明
●ぼくが生まれた時、地球の自転はストップしていた。人類は太陽系で生き続けることはできない。唯一の道は、べつの星系に移住すること。連合政府は地球エンジンを構築し、地球を太陽系から脱出させる計画を立案、実行に移す。こうして、悠久の旅が始まった。それがどんな結末を迎えるのか、ぼくには知る由もなかった。「流浪地球」
●惑星探査に旅立った宇宙飛行士は先駆者と呼ばれた。帰還した先駆者が目にしたのは、死に絶えた地球と文明の消滅だった。「ミクロ紀元」
●世代宇宙船「呑食者」が、太陽系に迫っている。国連に現れた宇宙船の使者は、人類にこう告げた。「偉大なる呑食帝国は、地球を捕食する。この未来は不可避だ」。「呑食者」
●歴史上もっとも成功したコンピュータ・ウイルス「呪い」はバージョンを変え、進化を遂げた。酔っ払った作家がパラメータを書き換えた「呪い」は、またたく間に市民の運命を変えてしまう――。「呪い5・0」
●高層ビルの窓ガラス清掃員と、固体物理学の博士号を持ち、ナノミラーフィルムを独自開発した男。二人はともに「中国太陽プロジェクト」に従事するが。「中国太陽」
●異星船の接近で突如隆起した海面、その高さ9100メートル。かつての登山家は、単身水の山に挑むことを決意。頂上で、異星船とコミュニケーションを始めるが。「山」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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45
🌟🌟🌟🌟☆。映画鑑賞後読了。原作は短編小説だけど膨らませ甲斐があるほど面白い内容。出来れば収録作全てが同じ世界設定で読みたかったくらい良かった。何故、映画はこのままのストーリーで作らなかったのか不思議で仕方ない。劉 慈欣、読みたいけどいきなり【三体】には躊躇する方にオススメ。【流浪地球】🌟🌟🌟🌟🌟。【ミクロ紀元】🌟🌟🌟☆☆。【呑食者】🌟🌟🌟☆☆。【呪い5.0】🌟🌟🌟☆☆。【中国太陽】🌟🌟🌟🌟☆。【山】🌟☆☆☆☆。2024/05/01
よっち
42
太陽系に見切りをつけた人類の唯一の道は別星系への移住。連合政府は地球エンジンを構築し、地球を太陽系から脱出させる計画をを描いた表題作ほか6つの短編集。惑星探査から帰還した先駆者の宇宙飛行士が目にしたもの、地球を捕食しようとする世代宇宙船「呑食者」、歴史上もっとも成功したコンピュータ・ウイルス「呪い」、中国太陽プロジェクトに従事する二人や、単身水の山に挑むことを決意したかつての登山家など、人々がついていけないほどに発展する科学だったり、突然の破滅に巻き込まれた人々のありようをなかなか印象的に描いていました。2024/01/22
Tαkαo Sαito
26
読み終わり、凄すぎて... 三体、三体黒暗森林、老神介護、円 まで読んできてどれもすごいけど、流浪地球が特にすごい。。 気体と液体を知らない、個体だけの世界で生きる機械式生命体の文明と人類の接触とか、どうしたらその世界観が作れるのか。。 間違いなく現代の最高のSF作家だし、劉慈欣の宇宙スケールな思考に引っ張ってもらえる、しかも劉慈欣の人類への優しさも感じられる。こういう読書も良いなと改めて感じた2024/09/23
わたなべよしお
24
どれをとっても、読ませるのはさすが。「呑食者」は「白亜紀往時」の後日譚みたいな話ですね。個人的には「山」かなぁ。我々の宇宙も「●●」にはちょっと衝撃。でも面白い宇宙論、宇宙観だよな。2024/03/22
Kano Ts
23
「三体」文庫版までのつなぎのつもりが面白過ぎて、すぐに読み終わるのがもったいなく感じ、間に2冊別の本を挟んで読みました。「老神介護」より好きかな。短編だけど繋がっているような話もあって、深みも感じられる。どの話も素晴らしいんだけど、あえて好きな話を上げると、手に汗握る「呑食者」、SFで久しぶりに笑えた「呪い5.0」。アイデアからの飛躍が素晴らしい「中国太陽」「山」あたり。マヌーバ理論がよく出てきますが、この頃ハマっていたのかな?理論は知らなくても楽しめます!早く「三体」が読みたい!2024/02/10