内容説明
世界500万部、「2022年最も売れたデビュー小説」
60年代米国、未婚のシングルマザーの化学者・エリザベスは男社会で大奮闘するが――世界が共感した痛快エンパワー&エンタメ小説! Apple TV+『レッスン in ケミストリー』原作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
310
2022年にデビュー作で最も売れた(全米250万部、世界600万部)作品という事で読みました。本書は1960年代女性科学者化学料理番組家族小説の快作でした。読メの女性読者に是非読んで欲しい作品、本書を読んで硝子の天井を打ち破って頂きたい。日本ではまだほとんど売れていないと思うので、書店員の皆様、来年の本屋大賞翻訳部門にノミネートさせてください。少し気が早いですが、翻訳小説として本年のBEST20候補です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639179792024/02/07
R
165
働く女性が困難を乗り越えていく物語。比喩ではなく、はっきりと女性の地位と境遇について切り込んでいて、女性だから化学者として扱われない主人公が、妙なことから家庭料理番組のヒロインになって、古い常識を叩き壊していく痛快喜劇。ハードな状況が何度も訪れるし、舞台が今よりもはるかに男性マッチョ信仰が強かった頃なので、今から思うと信じられないようなハラスメントが出てくるが、跳ね返す強さが爽快だった。大団円で安心して読める。2024/05/27
猿吉君
144
女性の地位が低い時代で必死に生きる化学者、と書くとつまらなそうですが主人公エリザベスの圧倒的なキャラクター性にノックアウト、傑作です。①とはいえ物語上仕方ないですが中盤まで悲惨な目に遭いまくり、そこを超えるまでが辛い。②娘さんと犬6:30、とにかく最高です!③運命の彼氏以外の男の人、かなりのクズばかりです、こういう人世の中に多い(爆)④至高のコーヒー飲んでみたい。点数90/100→正直男性が読むと特に前半辛い描写多くて挫折しかかったのですが、最後は爽やか、前に進んでいこうという気持ちにさせる作品でした。2024/07/31
道楽モン
139
これは爽快な物語。読後感の温かさは半端ないです。カタルシスの大きさに反比例して、舞台となっている1950年代のアメリカ社会の閉塞感が立ちふさがっています。宗教に根ざした堅固な保守性、性差別、権威主義、偏見、ハラスメントがもう当たり前の世界。そこに敢然と立ち向かうヒロインのなんと魅力的なことか。脇キャラが全員、尋常ならざる個性を持っており、作者の主張を際立たせている。娘と犬の普通で無い加減が針振り切ってます。apple TV限定のドラマ化は(町山智浩も大絶賛。背景解説は素晴らしい)、空気感も含め見事な出来。2024/04/17
ナミのママ
117
白衣を着ておたまを持ち仁王立ちする女性、インパクトあるタイトルにカラフルな表紙。面白そうと思って手にしたらまさに大当たり。1960年代のアメリカ、女性は家庭で子供を産み育てるのが仕事と思われていた時代。女性であるために博士号を取れず、入社した科学研究所では補助しか与えられない。妊娠したら解雇される。そんなシングルマザーのエリザベスがなぜテレビの料理番組に出たのか?エリザベスはもちろん、登場人物が犬まで含め面白い。女性をめぐる内容はシビアだがとにかく痛快。500ページ超えだが、一気読み。2024/02/05