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内容説明
舞台はオーストリアの暗い森にたたずむ古城。恋を語るように甘やかに、ときに情熱的に妖しく迫る美しい令嬢カーミラに魅せられた少女ローラは、日に日に生気を奪われ、蝕まれていく……。ゴシック小説の第一人者レ・ファニュの代表作である表題作と怪奇幽霊譚五編を収録。五編は「緑茶」「マダム・クロウルの幽霊」「幽霊と接骨師」「シャルケン画伯」「チャペリゾッドの幽霊」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
32
『カーミラ』 【ガラスの仮面】で北島マヤが罠にはめられ、芸能界を追放された時に、真相を知ったライバルの姫川亜弓がリベンジを果たすために出演した劇として記憶。母を亡くし父に溺愛されて育ったローラは、十字架が立っている道(はい、十字架大事なので覚えておくように!)を避けようとして馬車が横倒しになったのを目撃。中からぐったりした若い女性とつきそいの婦人が出てきた。ローラの父は、婦人が用を済ませる間、若い女性カーミラを預かろうと申し出る。ローラは、かつて幼い頃寝床で見た美しい女性にカーミラがそっくりだと気づく。2024/03/02
まさ☆( ^ω^ )♬
14
「カーミラ」の新訳を読みたかったので購入。訳者違いで4度目位の読書だったせいもあってか、とても読み易く感じた。何度読んでも面白い。「シャルケン画伯」「緑茶」は読んだ事があったが、他は多分初読。いずれも面白い。レ・ファニュの作品をもっと読みたいと思うのだが、新刊では中々手に入らぬようだ。怪奇もの、ホラーものは名作でも絶版になってるのが多いので残念です。2024/01/11
紫
8
代表作「カーミラ」の新訳を含む英国作家レ・ファニュの傑作選。「シャルケン画伯」「緑茶」「クロウル奥方の幽霊」「カーミラ」の四編は平井呈一訳で既読済みでした。初読みのデビュー作「幽霊と接骨師」は他の収録作とは印象が大違いの幽霊コメディ? もう一編「チャペリゾッドの幽霊譚」は後者は実話怪談を三話集めたという構成ですが、それぞれのエピソードに繋がりがないのは何だか薄味。そして、本書の白眉は全三十ページ(!)の解説。著者の有名なエピソードが出典を挙げて考証されており、とても参考になったのであります。星5つ。2023/12/13
湯豆腐
4
19世紀アイルランドの作家レ・ファニュの怪奇小説を集めた短編集。どの話も手紙や言い伝えを書き写した聞き書きの体で、古い怪談のおもむきが出ている。美しい令嬢に取り憑いた女吸血鬼の物語「カーミラ」はエロティックな雰囲気が漂う耽美な一編。訳者あとがきを読むと「明治生まれの祖父母」に育てられた人が「新訳」の訳者としてふさわしいのか?という疑問が浮かぶ(訳文は読みやすいので問題ないと思うが)が、南條さんの人柄が伝わってくる。解説も充実していて吸血鬼文学の入門にぴったりだった。2024/03/01
モーリス
4
やっぱりカーミラは面白い。百余年続くカーミラの所業が解き明かされていく流れはワクワクするものだった。 ドラキュラから間をかけずに読めたのも正解だった。ドラキュラに比べると小品だけど、こちらも素敵。あとは緑茶が好みだった。2024/01/22