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内容説明
舞台はオーストリアの暗い森にたたずむ古城。恋を語るように甘やかに、ときに情熱的に妖しく迫る美しい令嬢カーミラに魅せられた少女ローラは、日に日に生気を奪われ、蝕まれていく……。ゴシック小説の第一人者レ・ファニュの代表作である表題作と怪奇幽霊譚五編を収録。五編は「緑茶」「マダム・クロウルの幽霊」「幽霊と接骨師」「シャルケン画伯」「チャペリゾッドの幽霊」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
123
最初にレ・ファニュを読んだのは中学の頃だった。確かにアクションや社会性は欠けるが、知らぬ間に背後に恐怖が迫るのにゾクゾクした感覚が甦る。モダンホラーでは直接描かれる残酷な殺人や血まみれな惨劇が、ここでは扉の向こうや回想で語られるだけなのに思わず背中が寒くなる。レ・ファニュにとって恐怖とは襲いかかるものではなく、静けさから浮かび上がるのだ。「地獄の快楽とは人に害をなし、永遠の破滅に急がせること」という『緑茶』の一節は、まさに彼の真骨頂を示す。19世紀的な落ち着いて怖さを味わう怪奇物を再認識すべきではないか。2024/05/07
HANA
71
あまりにも名高い表題作をはじめ古典的な英国怪談のお手本みたいな作品がまとめられた一冊。表題作を読んだのははるか昔で内容はほとんど忘れていたのだが、読んでいるうちに惹かれてはいけないものに惹かれる思春期の主人公の想いや余韻に満ちた最後の一文等、初めて読んだ時の衝撃がありありと思い出された。「緑茶」は余韻とは無縁の純粋なる恐怖譚で、いつの間にか傍に潜んでいる怪異がとても嫌。他にも諧謔に満ちた「幽霊と接骨師」、ゴシック味に満ちた「クロウル奥方の幽霊」他バリエーションに満ちたものばかり。英国怪談の妙堪能しました。2025/12/22
NAO
58
レ・ファニュは、19世紀のアイルランドのゴシックホラーの第一人者として知られている。彼の作品の中でも有名なのが、女吸血鬼カーミラの話だ。この傑作選は、「カーミラ」と他に短編5編からなる。「カーミラ」はわ言わずとしれた『ドラキュラ』と並んで有名な吸血鬼もの。オーストリアの暗い森の中の古城に住む純真な少女、美しく妖しい令嬢カーミラと、ゴシックホラー要素満載。カーミラの少女に対する執着がとにかく情熱的で、萩尾望都の『ポーの一族』はどちらかというとBLっぽかったが、カーミラは可愛い少女に執心していたようだ。⇒2025/10/07
星落秋風五丈原
38
『カーミラ』 【ガラスの仮面】で北島マヤが罠にはめられ、芸能界を追放された時に、真相を知ったライバルの姫川亜弓がリベンジを果たすために出演した劇として記憶。母を亡くし父に溺愛されて育ったローラは、十字架が立っている道(はい、十字架大事なので覚えておくように!)を避けようとして馬車が横倒しになったのを目撃。中からぐったりした若い女性とつきそいの婦人が出てきた。ローラの父は、婦人が用を済ませる間、若い女性カーミラを預かろうと申し出る。ローラは、かつて幼い頃寝床で見た美しい女性にカーミラがそっくりだと気づく。2024/03/02
TSUBASA
16
とある古城にすむ一家の元へ、馬車の事故で体を休めなければならない少女が引き取られた。名をカーミラという美しい少女は一家の令嬢と親しい関係に。しかし、その少女は古くから辺りの人々を害する魔性の存在であった。女吸血鬼ものとして名高い表題作他、怪奇小説5編。舞台のせいなのか文体のせいなのか、なんかえらく読みにくかった印象。自分の気分の問題もあるかもしれないけど、得体の知れない影のようなものに苛まれる恐怖心というのがつかみきれなくてどうも乗り切れず。ゴシックな耽美さは伝わってきたのだけども。2025/12/23
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