講談社選書メチエ<br> 神武天皇の歴史学

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講談社選書メチエ
神武天皇の歴史学

  • 著者名:外池昇【著】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 講談社(2024/01発売)
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  • ISBN:9784065344644

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内容説明

天皇の初代とされる神武天皇は、生没年はもちろん、その実在さえ定かではない。しかし、伝説上の重要人物として、日本の歴史に大きな影響を与え、論争を呼び起こし、時に政治問題となってきた。天皇陵をめぐる近世・近代史の研究者である著者が、「神武天皇陵」の所在地論争と、橿原神宮の創建を軸に、「歴史学の主題」としての神武天皇に迫る。
初代天皇の墓所「神武天皇陵」は、実は江戸時代になるまで定かではなかった。元禄時代の江戸幕府の調査で、奈良・四条村の塚山に「定められた」のである。しかし、当初からこれには異論があり、幕末期には孝明天皇の意思により、その300メートルほど南の「神武田」に改められ、ここが、現在も天皇が参拝を行う神武天皇陵となっている。一方、国学者の本居宣長らは、畝傍山中の丸山を主張して根強い支持を得ており、明治期になっても「疑念」はくすぶり続けた。さらに、水戸学の巨頭・徳川斉昭、寛政の三奇人・蒲生君平、幕末の能吏・川路聖謨、明治大正の文人画家・富岡鉄斎らの見解もみていく。
また、神武天皇を祀る橿原神宮の創建と隆盛に尽力し、のちに決裂した民間勤王家・奥野陣七の生涯や、明治期に「神武天皇祭」に冷徹な目を向けたお雇い外国人にも注目し、「紀元節」から「建国記念の日」へと、現代にいたる「神武天皇」と日本社会をとらえ直す意欲作。

目次
序章 現代の神武天皇
第一章 三ヵ所の神武天皇陵
第二章 幕末動乱と神武天皇陵
第三章 奈良奉行所与力の結論
第四章 文久の修陵
第五章 明治天皇の親祭
第六章 橿原神宮と民間結社
第七章 消えない疑念
終章 紀元節から「建国記念の日」へ

目次

序章 現代の神武天皇
1 歴史学のなかの神武天皇
2 歴史教科書にみる神武天皇
3 神武天皇陵と橿原神宮
第一章 三ヵ所の神武天皇陵
1 元禄の修陵
2 本居宣長と蒲生君平の説
第二章 幕末動乱と神武天皇陵
1 徳川斉昭の建議
2 奈良奉行・川路聖謨の宣長批判
3 孝明天皇の「叡念」
第三章 奈良奉行所与力の結論
1 中条良蔵の報告書
2 本居宣長・蒲生君平への反論
3 結論は「神武田」(ミサンサイ)
第四章 文久の修陵
1 宇都宮藩戸田家の「建白」
2 孝明天皇の「御達」と神武天皇陵の「成功」
第五章 明治天皇の親祭
1 神武天皇陵前での「告文」
2 富岡鉄斎・津久井清影の疑念と大沢清臣
第六章 橿原神宮と民間結社
1 勤王家・奥野陣七の奮闘
2 橿原神宮の鎮座と確執
第七章 消えない疑念
1 白野夏雲の危惧
2 お雇い外国人の視点
終章 紀元節から「建国記念の日」へ
あとがき

文献目録
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐倉

11
神武田、加志、塚山と錯綜する神武陵についての各説。国学、朱子学、幕府、朝廷と様々な立場から論じられた”神武天皇陵がどこにあったのか”がメインテーマでかなり専門性が高い一冊。幕末の陵問題についての記述の偏りは歴史学というのなら確かにそれが正しいのだろうが、序章では受容史も含めた総合的な話をする素振りを見せていたのに…とは思う。序章の書きぶりと全体の構成の齟齬には思うところがあるものの、専門的で知らない話が多かったので読みごたえはあった。2024/02/12

takao

3
ふむ2024/04/24

onepei

1
神武天皇陵の変遷?の考察。 興味深かった2024/03/03

Go Extreme

1
現代の神武天皇:実在か非実在か 比類のない著しい存在 神武景気 神武天皇陵と宮内庁 2600年式念祭 三ヵ所の神武天皇陵:元禄の修陵 本居宣長・蒲生君平の説 幕末動乱と神武天皇陵:徳川斉昭の建議 奈良奉行・川路聖謨の信長批判 考明天皇の叡念 奈良奉行所与力の結論:中条良蔵の報告書 本居宣長・蒲生君平への反論 結論は「神竹田」 文久の修陵:孝明天皇の御達と神武天皇陵の成功 明治天皇の観察:神武天皇陵前での告文 橿原神宮と民間結社 消えない疑念:白野夏雲の器具 お雇い外国人の視点 紀元節から建国記念の日へ2024/02/21

三上 直樹

1
神武天皇、実在/非実在はさておいて日本の初代天皇とされる方をめぐる論考かと思いきや、神武天皇陵がどこにあったのかのみに焦点をあてた本でガッカリ。なおかつ、どのようにして「神話」とされたのかといった部分にはまったくノータッチでは、羊頭狗肉としか思えません。2024/02/03

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