講談社選書メチエ<br> 情報哲学入門

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講談社選書メチエ
情報哲学入門

  • 著者名:北野圭介【著】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 講談社(2024/01発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065345979

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内容説明

私たちは「情報」なしで暮らすことはできません。スマホでニュースを確認する、メールやラインをチェックする。改札を電子マネーの端末で通り抜け、車内では画面に映る広告や駅名を見る。そして会社に着けば……といったように、あらゆる場所に、無数の形で情報はあふれています。
では、そもそも情報とは何でしょうか? 一昔前のように言語をモデルに理解するのでは、医療現場での生体反応データから宇宙空間における周波数データまでをすべて「情報」として捉えることはできません。つまり、それが何かをよく理解していないまま私たちは情報なしではありえない生活を送るようになっているのです。
本書は、こうした現状の中で「情報という問い」に正面から取り組みます。カーツワイル、ボストロム、テグマークを通して技術との関係の中で「人間」とは何かを確認し、マカフィーとブリニョルフソン、ズボフを通して社会の中での情報がもつ機能を捉え、フクヤマ、ハラリ、サンデルを通して政治との関わりを考察します。その上で改めて「情報」というものを哲学的に規定し、情報をめぐる課題を整理します。
最先端の議論の見取り図を得られるばかりか、そこから得られる知見を整理し、日常にどう役立てるのかまで示してくれる本書は、これまでになかった1冊と断言できます。

[本書の内容]
序 章 情報という問い
第I部 情報がもたらす未来
第1章 情報と技術の未来
一 カーツワイルのポスト・ヒューマン論
二 ニック・ボストロムのスーパーインテリジェンス論
三 マックス・テグマークの生命システム論
第2章 情報と経済の未来
一 マカフィーとブリニョルフソンによる第二のマシン・エイジ
二 ショシャナ・ズボフの監視資本主義
第3章 情報と政治の未来
一 フランシス・フクヤマと「テクノロジーの政治学」
二 マイケル・サンデルと「守るべき美徳」
三 ユヴァル・ノア・ハラリと「自由主義の擁護」
第II部 情報哲学の現在
第4章 情報の分析哲学
一 第一哲学としての情報哲学
二 機械情報の振る舞いを把捉するための情報概念の再定義
三 情報技術を再定義し、情報化された環境における生の条件を問う
四 知能とは何かを再定義する
第5章 情報の基礎づけ
一 生命情報、社会情報、機械情報
二 情報とは何か
三 情報学が揺さぶる哲学的思考
四 情報論的転回は大文字のパラダイムチェンジか
五 シグナルの存在論、シンボルの存在論
第6章 人工知能の身体性
第III部 情報の実践マニュアル
第7章 世界のセッティング
第8章 社会のセッティング
第9章 「人間」のセッティング

目次

はじめに
序 章 情報という問い
第I部 情報がもたらす未来
第1章 情報と技術の未来
一 カーツワイルのポスト・ヒューマン論
二 ニック・ボストロムのスーパーインテリジェンス論
三 マックス・テグマークの生命システム論
第2章 情報と経済の未来
一 マカフィーとブリニョルフソンによる第二のマシン・エイジ
二 ショシャナ・ズボフの監視資本主義
第3章 情報と政治の未来
一 フランシス・フクヤマと「テクノロジーの政治学」
二 マイケル・サンデルと「守るべき美徳」
三 ユヴァル・ノア・ハラリと「自由主義の擁護」
第II部 情報哲学の現在
第4章 情報の分析哲学
一 第一哲学としての情報哲学
二 機械情報の振る舞いを把捉するための情報概念の再定義
三 情報技術を再定義し、情報化された環境における生の条件を問う
四 知能(インテリジェンス)とは何かを再定義する
第5章 情報の基礎づけ
一 生命情報、社会情報、機械情報
二 情報とは何か――パターンのパターン
三 情報学が揺さぶる哲学的思考
四 情報論的転回は大文字のパラダイムチェンジか
五 シグナルの存在論、シンボルの存在論
第6章 人工知能の身体性
一 知能は実装されるのか、知能は生成するのか
二 ロボットのなかの「知能の誕生」(ピアジェ)
第III部 情報の実践マニュアル
第7章 世界のセッティング
一 交差する二つの世界理解図式
二 複数の世界像の乱立
三 「世界像の時代」の果て
第8章 社会のセッティング
一 「社会とはなにか」という問いを変容する技術
二 コミュニカビリティに関わるデジタル・メディア
三 行為の時代
第9章 「人間」のセッティング
一 自己表象の時代
二 自由意志のデザイン─世界は誰が設計するのか
三 「人間」の溶解、あるいは民主主義の溶解

文献一覧
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みかん。

3
人間は発明をするさいにその機能を持った形態を模倣するのではなく独自の形やデザインにしてその機能を達成してきました。プラットフォームが自己増殖的に情報財を生み出す点が経済的に重要かと。2024/12/30

愛楊

1
2024年出版。「講談社選書メチエ」シリーズの第793番。そもそも情報哲学という分野が成熟していない印象がある。本書の著者は映画研究家・メディア論者であり、哲学科出身ではない。メディア論と情報は繋がりやすいことは分かるが、大文字の哲学を期待して読むと期待を外されることになるだろう。私にはあまり響かなかった。2024/07/15

ハラペコ

0
情報に関する著者の考察というよりは、著者が情報に関係していると考えているものを考察している哲学者たちの思想の紹介集。たたき台や整理として扱ってほしいとのことだが、Ⅰ部がしっかりしている割にⅡ部は迂遠的でⅲ部に至っては「かもしれない」という表現が多く、執筆準備段階の想定より構想が大きすぎて手に負えなかったのかなあという構成と完成度。「情報哲学」の整理としてはやや物足りないが、示唆に富む箇所は多く、おおまかには流れも分かる。メディア論というよりは、未来への展望を意識した内容なのも良かった。2024/09/03

Akim

0
読む間隔が開くとついていけなくなる。2024/03/23

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