朝日文庫<br> わかりやすさの罪

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朝日文庫
わかりやすさの罪

  • 著者名:武田砂鉄【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 朝日新聞出版(2024/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022620873

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内容説明

“わかりやすさ”の妄信・猛進が止まらない。「すぐにわかる」に頼るメディア、ノウハウを一瞬で伝えるビジネス書、「4回泣ける映画」で4回泣く観客。すぐに「どっち?」と問われて「どっちでもねーよ!」と答えたくなる日々。納得と共感に溺れる社会で与えられた選択肢を疑うための一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

87
社会が優先事項として効率ばかり重視するようになったからだろう。余韻とか含みとか余計なものは切り捨て、分かりやすさだけが行動を支配する。私もそれを実感することがある。部下に長いメールをしても読まれない。指示だけでよい。理由や理屈は要りません。と言われる。会社だからそれでもありだとは思いながらも反感はある。表層的な理解しかしなくてもシステムがカバーしたりで物事がとにかく早く処理され消化されていくことが大事なのだろう。バカになったなと思った。しかもみながみな右に倣えしないと叩かれる。のりしろのない世界は嫌い。2024/03/29

シキモリ

26
著者はゴールデンタイムのTBSラジオでパーソナリティを務められている方、程度の認識しか持ち合わせていなかったが、タイトルに惹かれて手に取る。私自身は白黒思考の傾向が強い性格なので、著者の論述に頷きつつも、自分のことを言われているようでギクリとする部分もあったり。著者の職業柄なのか、皮肉が効き過ぎて個人攻撃に思える箇所もあり、本書に同調して吟味もせず安易な批判に転じる危険性を孕んでいる気はした。二元論化が著しい昨今の日本社会や受け手の感受性を軽視したエンタメ作品に対し、違和感を持ち続ける癖を手放したくない。2024/01/21

N島

18
世の中に溢れる『わかりやすさ』に抗う一冊。論調は厳しいながらも、普段の生活で感じる違和感を浮き彫りにし、(やや過剰に)代弁してくれた本でした。ただ…この『わかりやすさ』に追従する人間の傾向は、今に始まったことではなく、ある意味人間の本性の一つではなかろうかと、読めば読むほど確信を深めてしまう僕がおりました。集団で次から次へと『わかりやすさ』を食い散らかす飛蝗の群のおぞましさ…到底容認できないなぁと、群生行動から乗り遅れたのんきなバッタたる僕などは、思うわけです。2024/02/22

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

16
もっと早く読めばよかった!そうしたら金太郎飴なビジネス書に手を出さずに済んだのに!!「分かりやすさが正義ファシズム」に自分も毒されていることがよーくわかりました。道具って使う人に賢さを要求するものと、便利さでバカにしてしまうものの2通りがありますが、バカにさせられてしまったらその道具を取り上げられた時に困ってしまう。考えることを取り上げられてしまった衆愚(と、あえて言おう)は自分で水を確保する術もなく、体制から水を与えてもらうのを口を開けて待ってるだけになってしまう。水を貰うためにどんな要求も飲む羽目に。2024/03/27

Janjelijohn

15
わかりやすさを求める世の中に警鐘を鳴らしている本。わかりやすさを求めると、その裏にある分かりにくい部分は剥ぎ取られ、無視され、始めからないものとされてしまう。結果、想像する力、噛み砕く力、感度も体力も失くなる。この違和感に気づきわかりにくいものにも目を向ける人と、わかりやすさばかりを追い求める人との間で分断が起こりコミュニケーションが取れなくなるのではないかと不安になった。2024/02/25

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