内容説明
教員、スーパー従業員、看護師、介護士、ドライバー、ごみ収集作業員…
“本物の仕事(リアルジョブ)”なのに、なぜ低待遇のままなのか?
“ブルシット・ジョブ”が増殖する社会で、本当に必要不可欠な仕事をする人々の働き方
頭でっかちで手足をやせ細らせた日本社会をアップデートするために
社会にとって不可欠な仕事(エッセンシャルワーク)の待遇はなぜこんなにも悪いのか。
あまり知られていないそれらの仕事の実態から、なぜ待遇悪化が起きているのか、それが私たちの社会にどう跳ね返ってくるのかをあきらかにする。
エッセンシャルワーカーの国際比較を通じて、現状を変えていくためのヒントも提言。
▼執筆者一覧
田中洋子(筑波大学人文社会系教授)
三山雅子(同志社大学社会学部教授)
上林陽治(立教大学コミュニティ福祉学部特任教授)
小尾晴美(中央大学経済学部助教)
袴田恵未(筑波大学社会・国際学群国際総合学類卒業。(株)インテック勤務)
小谷幸(日本大学生産工学部教養・基礎科学系教授)
ヴォルフガング・シュレーダー(カッセル大学教授、ベルリン社会研究センターフェロー)
ザーラ・インキネン(カッセル大学研究員、ベルリン社会研究センター研究員)
首藤若菜(立教大学経済学部教授)
柴田徹平(岩手県立大学社会福祉学部専任講師)
松永伸太朗(長野大学企業情報学部准教授)
永田大輔(大学非常勤講師)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
61
長期的な視座が、ますます無くなってきている状況が表出したもの。成長の2文字を、本来どういう意味なのかを考えるところに立ち戻ること。古い考え方かもしれないが、ものが、社会がますます見えなくなってきていることにも要因があるのではと思う。実体験からくるものの意味を、どう広げていくか。2024/06/27
kayak-gohan
20
エッセンシャルワーカーという言葉を初めて見聞きしたのは新型コロナウイルスが猛威を振るっていた2021年頃。その意味は「社会生活を維持していくのに不可欠な仕事」である。まずは感染リスクの高い現場で働く医療従事者や介護職がそれに該当する。続いて教員、保育士、ごみ収集作業員、建設請負業者、トラックドライバー、スーパーマーケット従業員といった職種もマスメディアで取り上げられたことで該当することを確認。2024/04/13
ヒラP@ehon.gohon
18
社会を支えていると言っても過言ではないエッセンシャルワーカーが、低賃金、非正規雇用、社会的評価の低さの中にあるという実場を痛感させられました。2024/07/13
とりもり
9
エッセンシャルワーカーの低賃金、過酷な労働環境について、国際比較を交えて現状と解決策を探る一冊。共著のためやや記述が散漫だが、パートでも正規雇用者(単一賃金)として無期雇用されるドイツの事例などは非常に感銘を受けた。本書では90年代以降の労働環境の悪化を「正規・非正規の二元化」と「委託・下請関係の市場化」に求めるが、個人的には「経営者の労働者へのリスペクトのなさ」と「消費者の過剰なデフレマインド」も大きいと感じる。特に後者が賃金の抑制要因となって非正規化を助長しているなら皮肉という他ない。★★★★★2024/01/22
どら猫さとっち
8
新型コロナ禍で次第に登場した言葉、エッセンシャルワーカー。スーパーやコンビニ、外食チェーン店の店員、教員や相談員、看護師や介護士、トラック運転手など、日常生活を支える職務にいる人たちが、非正規労働者で最低賃金で働かされるのか。それぞれの研究者たちが、その実態と解決策を記している。本書はポリタスTVのイベントの動画を観て読んだもの。何故こんな働き方をしているのか。専門知識のある労働者も、何故ないがしろにするのか、腑に落ちない。2024/12/05
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