差別する人の研究 変容する部落差別と現代のレイシズム

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差別する人の研究 変容する部落差別と現代のレイシズム

  • 著者名:阿久澤麻理子【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 旬報社(2023/12発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784845118502

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内容説明

差別の現れ方、正当化する言説は時代とともに変わっていく。
例えば、部落差別はかつての結婚・就職ではなく、その土地に住むことに対する忌避が強く現れる。
また、昨今は「社会的弱者であることをふりかざし、福祉に甘えている。逆差別だ」などという偏向した言説も目立つ。
こうした差別の変容はなぜ、どのように起きるのか。
現代的レイシズムを基点に、差別「される側」ではなく「する側」の構造をあきらかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

venturingbeyond

29
昨年度、地元で講演をお聞きした阿久澤先生の単著が出たということで購入。帯にある通り『差別は「される側」ではなく「する側」の問題』との大原則に基づき、近年のアメリカにおけるレイシズム研究のフレームを用いて、現代における部落差別の継続と変容を分析・考察した一冊。古典的レイシズムから現代的レイシズム(制度的~、文化的~、象徴的~、カラーブラインド~、回避的~...)への変容は、かなりの部分で現代の部落差別に適用可能であり、近年の部落差別を巡る言説状況がクリアに説明されている。2024/02/16

ruki5894

15
差別は差別する人がいるから起こるのだ。だから差別する側の人を研究していけば差別はなくなるのではないか。という視点で書かれている。部落差別問題については確かにそうかもしれない。かなり詳しく書かれていてわかりやすい。差別は差別を受けたと言う人がいる時にも起こる。差別的発言もそれが多い。認知の違い。認知度を深めることで社会の成熟度が増していく。いつの日か部落差別はなくなるのか。人がいるところにまた別の差別が生まれるような気もするが。少しずつではあるが日本は良くなっているというのは楽観的過ぎるか…。2023/11/25

どら猫さとっち

12
人は何故差別をするのか。近年もヘイトスピーチやクライムが蔓延し、最近では参政党が日本人ファーストを掲げ、排外主義と批判された。人間が差別するということの謎。本書には、「差別する人(側)の研究」を過去のデータをもとに検証、その心理を解き明かす。もはや、現在のレイシズムは歯止めが利かなくなった。参政党の排外的政策によって、さらに暴走しかねない。そうならないための処方箋が、ここにある。2025/07/27

Miki Shimizu

6
差別はされる人の問題ではなく、する人の問題。だから、状況が変わって差別に使ってた言い訳が使えなくなったら、他のことを持ち出してやっぱり差別する。みんながハッピーで差別なんかする必要のない社会を作っていかないとあかんなー。自己責任じゃなくて仕組みとかに目を向けて、社会を変えていくような教育がいるんかも。2023/11/22

manabukimoto

6
日本に綿々と現存する「部落差別」を、アメリカで唱えられている「New Racism 新しいレイシズム」という概念で考察する。 差別とは「人の属性・特性を理由に、区別・排除を行い、人種の享有・行使を妨害すること」p20 社会システムに埋め込まれた土地差別である、部落差別は明らかに差別で、明らかに悪だ。 差別はする側の恣意だ、という言説はこの書で何度も出てくる。「無かったこと」にするのは、差別者たちの常套手段。構造的にどんな差別状態であるかを認識し、差別をなくす手段を考えることが大切。 岐阜市立図書館蔵書2023/11/01

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