内容説明
明治時代、裕福な男性や花柳界の女性の着物に〈面白柄〉が流行する。その後、日清戦争を経て戦場風景などが描かれるようになり、大正以降は幼子の立身出世を言祝ぐ吉祥としての戦争柄が主流となる。意匠としての〈戦争〉から、当時の社会的背景や時代性を読み解き、戦争の断片を伝えることで真実を覆い隠した姿を解明。近代史・美術史の中に位置付ける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
15
着物というフロー型メディアに描かれた〈戦争〉はどのように扱われ、変化していったのか。モノクロながら多くの図版を収録した上で論考していく。文人茶や花柳界といった文化人の流行と嫁入り道具と吉祥柄着物のラインが並行しつつ明治以降には織物染物の技術の高まりによって様々な図柄を量産できるようになり、男性着物としてはちょっとした話題を提供する粋な題材、女子供には人々の愛国心を擽るものとして世間に広まっていく。著者は繰り返し「プロパガンダではない」と書く。流行、嗜好の果てに戦争柄が多く生み出されていったから、である。2025/11/03
hitotak
7
明治期以降に主に男性の羽織裏や襦袢に戦争柄を付けることが流行り出し、花柳界や子供向け、昭和初期には一般女性にまで広まった。柄は戦闘機や軍旗、錨などの武具や、実際に発行された新聞記事や号外、日露戦争の東郷・乃木将軍の肖像画等、インパクトがあれば何でもありの様相だったようだ。戦争柄は軍が主導したプロパガンダなのかと思いきや、映画や書籍に比べれば繊維業など些末な女子供向けの産業であり、あくまで業界が商業目的により制作したものだという。描かれているのは朗らかで勇壮な場面ばかりで、そこに戦争の悲惨はなかった。2025/07/06
takao
2
ふむ2024/05/09
chuji
1
久喜市立中央図書館の本。2023年12月初版。書き下ろし。執筆依頼から十五年で書籍化されたもの。実際に着たのでしょうか?オイラが和服に着たのは結婚式の紋付き袴の一回切りです。2024/06/01
Ta283
0
たいへん興味深い。「図説着物柄にみる戦争」とセットで読むのが良い2024/06/09
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