内容説明
事故で夢を失い、最低限の交流のみで高校生活を送っていた優成。唯一の楽しみはラジオ番組。顔の見えない交流は心の拠り所だった。ある日クラスの人気者、蓮杖紫帆も同じ番組を聴いていることを知る。深夜に同じ音を共有しているという関係は、ふたりの距離を急速に近づけていくが・・・。「私、もうすぐ耳が聴こえなくなるんだ。」紫帆の世界から音が失くなる前にふたりはライブや海、花火など様々な音を吸収していく。しかし、さらなる悲劇が彼女を襲い――。残された時間を全力で生きるふたりに涙する青春恋愛物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なみ
19
事故によって夢を奪われた浅桜優成は、クラスメイトの蓮杖紫帆が同じラジオ番組を聞いていることを知る。 しかし、紫帆は耳が聞こえなくなる病気を抱えていて──。 2人が仲良くなっていく過程がとても自然で尊かった! 会話のテンポも軽やかで、校内放送で活躍しているシーンもよかったです。 ラストは泣けました。 紫帆ならではのメッセージの伝え方が素敵でした。2024/01/04
和尚
16
タイトルから良いですね、本当に良かった。 良き読後感、余韻です。 最初から、タイムリミットのある少年少女。出会いから、それそれの育みがラジオのリスナーという題材を用いて紡がれて。 読者に想像させながら、なぞりながら物語は進みます。ただその時までの時間を、主人公は等身大で悩んで、頑張って。 最後の展開はもうね、ただ良かった。僕はこういう物語好きなんです。締めも最高でした。ありがとうございました。2023/12/30
シャトーブリアン
9
★★★★★☆ 今年読んだ作品の中で1番余韻が凄いかもしれない・・・ もっと2人のトーク聞きたかったな・・・ 恋や愛では語れない最高の関係でした! 周りの誰も知らない2人だけの繋がりである"深夜ラジオ"をキッカケに青春を駆け抜ける2人は眩しい。それが短い一時だったとしても・・・ 中学生の時の怪我が原因で夢を失った優成は高校生活を無気力で過ごしていた。そんな時に深夜ラジオをキッカケに紫帆と出会う。彼女も病気が原因で夢を失っていたけど前向きでいつも笑顔の彼女の影響で優成の生き方もどんどん変わっていった。2023/12/29
とってぃー
8
あぁ…本当に良かったです。耳が聴こえなくなる少女とのラジオを通じた青春。苦悶、葛藤はあるものの、気持ちが楽になって前向きになれる素敵な物語でした。ヒロインの病気を忘れるくらい楽しい2人の掛け合い、お互いの言葉で前向きになる関係は見事でした!それぞれの悩みがラジオのリスナーという関係から紡がれ、心の内を明かせる仲になる2人が本当に好き。また、ヒロインの病気が進行しても、どうしたらいいのかと工夫する主人公の行動力はとても素敵です。最後は涙のジェットコースターですが、タイトルも込めて最高の締めと言えるでしょう!2024/01/03
栗山いなり
7
事故で夢を失った少年とクラスの人気者の少女が織りなす青春ストーリー。オーソドックスな青春恋愛劇+難病物だったけど深夜ラジオが個性と言えば個性なんかな?2024/01/06