光文社文庫 真犯人の貌（かお）

著者名：前川裕【著】

光文社（2024/01発売）

• ISBN：9784334101879

内容説明

教師夫婦が謎の失踪を遂げた「川口事件」。現場には大量の血痕が残されていたが死体は発見されていない。逮捕された被害者の実兄は容疑を否認、事件の翌年に無罪が確定する。疑念を抱いたジャーナリストの杉山康平は、人権派弁護士の妨害に悩まされながら取材を続けるが、関係者の多くが重要な部分で口を閉ざしてしまう。一体彼らは、何を隠しているのか？　後味の悪さがクセになる著者の真骨頂、フェイク・ドキュメントの傑作！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[☆Ruy]

小説だけどノンフィクション、ドキュメンタリー風で読んでいるうちに本当の事件を追っているように感じた。割と早い段階で犯人誰か気付いたけど、何でそんな事をする必要が？と言うのがわからず最後までドキドキ。

2025/01/26

[ボンタンパンチ]

久々の前川裕作品。川口事件という(架空の)未解決夫婦失踪事件を追うフリージャーナリストによって書かれたという体裁のフェイクドキュメンタリー。相変わらずすらすら読める文章で、殺人者も含めて異様な人間が続々登場するが、今回は作中で扱われる事件にそこまで意外性が感じられず、消化不良気味なオチも相まってあまり良い印象にはならなかった。

2024/07/12

[たまがぞう]

八王子で起きた教師夫婦殺人事件を題材にしたノンフィクションという体裁の小説。八王子市川口町という私に馴染みのある土地が舞台に設定されており、その点でまず惹きつけられた。文庫のあらすじにはミステリーとあるが、謎解きよりも様々な人間の裏の顔を覗き見るような小説。

2025/01/29

[a.i]

★★★★

2024/03/31

[starlive]

もう粘度。ぬちゃっとした、ぬめっとした、まとわりつくような表現や構成。真骨頂だね。

2024/05/18