新潮文庫<br> アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

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新潮文庫
アンソーシャル ディスタンス(新潮文庫)

  • 著者名:金原ひとみ【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 新潮社(2024/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101313351

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内容説明

心を病んだ恋人との生活に耐えきれず、ストロングゼロに頼る女。年下彼氏の若さに当てられ、整形へ走る女。夫からの逃げ道だった、不倫相手に振り回される女。推しのライブ中止で心折れ、彼氏を心中に誘う女。恋人と会えない孤独な日々で、性欲や激辛欲が荒ぶる女――。絶望に溺れて掴んだものが間違っていたとしても、それは、今を生き抜くための希望だった。女性たちの疾走を描く鮮烈な五編。(解説・朝井リョウ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kanako

26
やばい。この本自体がもうストロングゼロでは?っていうくらいの破壊力。表面上は普通に生きていたのに、恋愛や性欲に翻弄され、どうしようもなく巨大な不安や恐怖から逃れるため、美容整形に酒に激辛料理に溺れていく女性たち。アウトローでやばい奴らと片付けることは簡単だし、自分は登場人物の誰とも似ていないはずなのに、そこに現代の人間の本質に迫る何かがあると感じさせる。彼女たちを通じて、現代における「人間とか何か」を見せつけられている気がする。朝井さんの解説が的確で表現が巧すぎて、二重の意味で作家すげぇ…ってなる本。2024/03/04

Kano Ts

25
面白かった。金原ひとみさんの作品は4作目ですが一番刺さった作品でした。不倫や整形など登場人物の状況は全く理解できないんですが、彼ら・彼女らの気持ちというか苦しみというか、追い詰められるような切迫感に何故かものすごく共感してしまいます。何というか金原さんの作品は明確な救いがあるケースは少ないのに、生きることを肯定してくれる、人間賛歌的な思いが込められているんじゃないかと勝手に思っています。その部分が刺さる人と全く刺さらない人を分ける要素なのかなと。人を選ぶ作家・作品なんだろうなと言うのも分かります。2024/02/03

mayu

23
最初から最後まで自分を抑えきれない程の欲求が本の中いっぱいに溢れている。時に焦り、諦め、どんどん闇に引き込まれても止められない女性たちの5篇。アルコール依存、整形、不倫、自殺願望、激辛と性欲。どの話の女性も欲望に囚われて、過激になっていく姿に金原さんの小説を読んでいるなぁと感じる。女々しい男が多いし、女性は性欲に溢れてる。最後の2作はコロナ禍を描いているのにコロナを恐れている人と気にしていない人の価値観の違いが印象に残った。今の時代に生きる女性の鬱屈したリアルを描いた一冊。2024/02/09

百太

20
病んでいる事って読んでいて深みにはまる感じ、人に読んでいる所見られたくない本です。2024/04/09

LUNE MER

18
コロナ禍での日常を描いた作品を含む短編集。パンデミックは100年周期くらいで発生しているわけだが、自分たちの世代では初めて直面した事態であり、当時の不安感や過剰に反応する人に対して自分も少し抱いていたうんざり感を含めて様々な感情が蘇った。読書を通じた他者の人生の擬似体験、というのが僕が金原ひとみ作品に求めるものであり、本書でもその本望がしっかり遂げられた。2024/03/10

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