内容説明
一宗教団体であるにもかかわらず、いまや国家を左右する創価学会。国民の7人に1人が会員ともいわれる巨大勢力だが、その全容はあまりにも知られていない。発足の経緯、高度経済成長期の急拡大の背景、組織防衛のしくみ、公明党の役割、そして池田大作というカリスマ亡き後の展開――。あくまでも客観的な研究者の視点から、現代日本社会における創価学会の「意味」を明快に読み解いた決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデキ
42
宗教団体は、3代続いて初めてカルトから抜け出るとか・・ 日本最大の在家集団(しかも、元の宗派とも袂を分かっている)が、どういった方向に行くのか 池田氏が、後継者を作れなかったのか?それとも競争の中で潰してしまったのか? 或る意味で巨大な存在の後継者は、苦労されると思います その中で個人的には、中央の動きだけでなく地域で活動される方々へも目を向けていって欲しかったと思います でも、著者は、宗教者に対して優しいです 著者の新宗教団体への「愛」を感じながら読んでいました。 2024/03/06
ベンアル
14
図書館で借りた本。去年の11月に会長の池田大作が亡くなったので、増強して再出版した。創価学会の層は高度経済成長期に農村から都市部に移住した庶民で、相互扶助の役割が大きい。しかし、70年の出版差止事件によって世間から大きく叩かれた。ネットや週刊誌でネガティブな印象があったので、中立的な本を読めて良かった。2024/03/24
kenitirokikuti
10
図書館にて。旧版は2004年、この年に勤行が簡略化(朝30分晩15分が朝夕5分ずつに)。1999年に自公連立政権(前年に公明党再結成)、前年のスタジアムでのマスゲーム(世界青年平和文化祭)は国内では最後となっている。日蓮正宗との断絶は、もう修復の見込みがない。かつてはそう考えられてはいなかった▲自民党のターンが巡ってきた、という感じか2024/03/06
デューク
5
創価学会。この知られざる巨大組織の、日本社会における意味を解く一冊。 創価学会とは仏教系の宗教組織であり、その会員数は1700万人以上とも言われている。また与党である公明党の支持母体でもあり、国家を左右する一大勢力と言っても過言ではない。宗教学者の立場から、そんな巨大組織を描いた一冊。池田大作というカリスマ亡き後に起こること、創価学会が組織を維持できる仕組み、創価学会が持つ最大の力、などなど。戦後日本という文脈の中で、創価学会を位置づけた一冊。新書であることを忘れるほど、濃密な一冊。おすすめ2024/06/19
yuki
5
創価学会が戦後の復興と経済成長期に人の心に入り込んだシステムを論理的に説明しており非常に分かりやすいかった。池田大作については、飛びぬけたカリスマ性は感じられなかったが、創価学会が作ったシステムを上手く利用してカリスマとなった印象。著者が書いているように、これからの創価学会の行方については興味深い。2024/02/17