内容説明
人は運命に抗うことができるか?
1968年、後に「千里見の七夕崩れ」とよばれる大型台風による土砂崩れで、町は多数の死者・行方不明者を出した。
20年後、同じ町の旅館の娘・清田千遥は、東京からやってきた大学生・坂井裕二と出会う。裕二はなぜか夜ごと町を徘徊していた――
激流に飲まれた運命がやがて大きな感動へとたどり着く。
『代償』『悪寒』のベストセラー作家・伊岡瞬史上、
最も残酷で美しい青春ミステリー!
Apple Books Store 2022年上半期ベストブック(ミステリー部門)
※この電子書籍は2022年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
80
過去にあった台風被害が全ての始まりだった。それこそ人生を濁流にのみ込まれた結果が、辛すぎる幼少期を送る事になった「裕二」。「千遥」一家も、台風の犠牲者と言えよう。災害から20年後に巡り合った二人。複雑に絡み合った事情が解けていく。しかし、これだけ悲惨な過去をもつ「裕二」を救い上げ、支えた「隆」の裏表の顔にも苦しさを感じる。決して許されない事だが、理解出来る部分もある。2024/07/24
えみ
60
あの日あの時あの場所で…どんな選択をして何を手放せば、正解に辿り着けたのだろう。星が瞬く間に今が消え、過去になっていく日常の中で、幾重の後悔と懺悔を心に刻み続けてきたのか。静寂の青春が広がり始めた物語の中で、時折爆ぜる魂の叫び。不意に乱される感情にどこまでも過酷で残酷な現実を突きつけてくる。大切なものを失くした千遥と裕二の2人にどんな結末が用意されているのか。胸が締め付けられるような仕打ちをこの小説の重さに感じながら、最後まで読まずにはいられない。ミステリが絶妙に混入されていて強く好奇心を誘う一冊だった。2024/01/15
カブ
46
子は親を選べない。過酷な運命に翻弄される裕二。熾烈な児童虐待のシーンは読むのが辛かった。対象的な美しい星空の下での星座の話に癒された。2024/02/29
れもん
36
図書館本。千遥と裕二、それぞれのストーリーがどのように絡んでいくのか気になり、一気に読み終えた。伊岡さんの小説は残酷なシーンはとことん残酷だけど、この小説は控えめなほうだったと思う。それもあって、一気に読み終えられたんだと思う。読み終えたあとは、余韻に浸っていた。伊岡さん、こんなストーリーも書くんですね。これはもう一度、読み直したい。2024/09/17
さち@毎日に感謝♪
31
伊岡さんが青春ミステリーといった作品を書くのが意外でした。千遥と裕二、2人がどのように関わっていくのかが気になって一気読みでしたが、面白かったです。矢木沢がいいキャラしてるなと思いました。2024/03/28
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