内容説明
大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読者から感想コメントが届く。玲奈はその読者とDMでやり取りするようになるが、同じ頃、玲奈の周りに不審人物が現れるようになり……。短大生の駒子が童話集『ななつのこ』と出会い、その作家との手紙のやり取りから始まった、謎に彩られた日々。作家と読者の繋がりから生まれた物語は、愛らしくも頼もしい犬が加わることで新たなステージを迎える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
207
『どうぞよろしく、と付け加えたら、仔犬はぼくに向かってひと声、「ワン」と吠えた』。表紙、書名、そして差し込まれるイラストの数々が『犬』好きな方にはたまらないこの作品。そこには『犬』を登場される作品としてはまさしく王道とも呼べる感動的な物語が描かれていました。30年以上の月日に渡って描かれてきた〈駒子〉シリーズ最新作のこの作品。『犬』が全編に渡って登場する、『犬』好きな方必読なこの作品。『犬』という存在が、人にとってかけがえのないものであるか、その存在の大きさを改めて考えさせてもくれた素晴らしい作品でした。2024/11/02
hirokun
116
星3 加納朋子さんはたぶん初読みの作家さん。この作品も読書メーターに参加していなければおそらく読んでいなかった作品。内容的には全編から犬に対する愛情が溢れてくる作品で、私自身大型犬を飼っていることもあり、また子供の頃の犬の飼い方の違いを感じながら読ませてもらった。私の感じ方としては、メルヘンチック、ファンタジーな捉え方をしましたが、これは普段読んでいる小説との対比で感じたものかもしれません。2024/02/12
ひさか
112
紙魚の手帖手帖vol.01(2021年10月)ゼロ、vol.07(2022年10月)ONE前編、vol.08(12月)ONE中編、vol.09(2023年2月)ONE後編、を2024年1月東京創元社刊。駒子シリーズ4作目。2004年5月刊のシリーズ3から20年ぶりだそう。駒子の家族の話が時間を前後して交互に語られる。ところどころに謎が潜んでいて、しかも、それはどこかの時間で明らかになる展開なので、読み進むと楽しくなる。お仕舞いの辺りで明らかになるワンのことは、予想はしていたもののやはり驚き!でした。2024/05/01
のりすけ
105
冒頭20ページでもう号泣。ずっとボロボロ泣きながら読了。にゃんこ派の私がこんな泣けるんだからわんこ派の方にはたまらんだろうな。感動だけじゃなく辛くて厳しい現実も挟み込まれるんだけど、そこは加納さん、エグさの無い描写で安心設計。イッヌ可愛いよ、イッヌ!最初の「ななつのこ」しか読んでいないので、これから他のも読まなくちゃ。全く私情で申し訳ないんですがワンがフレンダ―に思えて仕方なかった(史上最高に好きなイッヌロボ)。2024/10/30
みかん🍊
103
大学生の玲奈と兄と両親4人家族と犬との関わり、初代の黒い犬1は玲奈や家族を守るとても賢い犬、2代目ゼロは先代の言いつけ通り玲奈を守ろうと奮闘する、犬猫の飼い方はこの何十年の間にかなり変わって昔はの当たり前が今は虐待といえる飼い方だったりする、犬を大切にしない人間もなかにはいる、しかし犬を心から愛し家族として大切に飼う気持ちは変わらない、大切な家族を守る気持ちは一緒である、『ななつのこ』シリーズと言う事だが単独でも十分楽しめる作品、しかし20年も前と言う事で殆ど忘れているので再読したい。2024/02/26
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