内容説明
大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読者から感想コメントが届く。玲奈はその読者とDMでやり取りするようになるが、同じ頃、玲奈の周りに不審人物が現れるようになり……。短大生の駒子が童話集『ななつのこ』と出会い、その作家との手紙のやり取りから始まった、謎に彩られた日々。作家と読者の繋がりから生まれた物語は、愛らしくも頼もしい犬が加わることで新たなステージを迎える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
97
大学生の玲奈と兄と両親4人家族と犬との関わり、初代の黒い犬1は玲奈や家族を守るとても賢い犬、2代目ゼロは先代の言いつけ通り玲奈を守ろうと奮闘する、犬猫の飼い方はこの何十年の間にかなり変わって昔はの当たり前が今は虐待といえる飼い方だったりする、犬を大切にしない人間もなかにはいる、しかし犬を心から愛し家族として大切に飼う気持ちは変わらない、大切な家族を守る気持ちは一緒である、『ななつのこ』シリーズと言う事だが単独でも十分楽しめる作品、しかし20年も前と言う事で殆ど忘れているので再読したい。2024/02/26
愛玉子
82
『ななつのこ』シリーズは読了しているけれど何せ二十年余りも前の話、曖昧な記憶で読み始めましたが、カッコよく愛らしく賢い犬たちに夢中になってしまいます(犬飼いの皆さんには涙腺注意報を発令)。この毛むくじゃらの心優しい生き物は、どうしてこんなにも無条件に愛と信頼を返してくれるのだろう。穏やかな日常にも悪意や、時には思いもよらないアクシデントが降りかかったりするけれど、この家族(もちろんワンコも含む)の絆があればきっと大丈夫だよね。読む間すっかり失念してたけど、途中で「あっこれ続編か!」と気づく仕掛けも嬉しい。2024/02/29
cinos
82
駒子シリーズって書かれていなかったら最初気づかなかったです。「ななつのこ」におおっと思いました。加納さんは最も好きな女性作家です。これからも素敵な物語を紡いでほしいです。2024/01/30
ゆみねこ
82
1(ワン)と名付けられた黒い犬、そしてゼロと名付けられた仔犬。大学生の玲奈と兄のはやて、そして母の駒子と優しい夫。すべての人も犬や猫などの動物たちも愛されるために生まれてきた。「ななつのこ」シリーズ、未読だったけど問題なく楽しめました。これはシリーズを読まねば!2024/01/29
hirokun
79
星3 加納朋子さんはたぶん初読みの作家さん。この作品も読書メーターに参加していなければおそらく読んでいなかった作品。内容的には全編から犬に対する愛情が溢れてくる作品で、私自身大型犬を飼っていることもあり、また子供の頃の犬の飼い方の違いを感じながら読ませてもらった。私の感じ方としては、メルヘンチック、ファンタジーな捉え方をしましたが、これは普段読んでいる小説との対比で感じたものかもしれません。2024/02/12