内容説明
“謎”を追う緊迫した物語
力を背景とした一方的な現状変更の試みやテロ、暴力的過激主義の拡大、未知の感染症など、これまでにない不安の時代が続いている。人間の命をめぐるその情況に、この物語は新しい鮮やかなカタルシス、新しい生き方を暗示する。
「アラスカ育ちの若い女性咲音。山中でひとり暮らす老婆『灰猫』の謎。何年かに一度、出現する森の中の湖。青山さんが、こんなにみずみずしい感性を持ち続けていたことに驚く。コロナ時代の『復活』の書、清冽な水の音が聞こえるような小説だ」
――『月刊Hanada』編集長・花田紀凱
文庫化に伴い”後日譚”を新たに書き下ろし!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
抜け忍1号
5
アラスカで父と暮らしてきた咲音は、父の死後、日本の山里にある母の故郷を訪れる。道中で出会った“灰猫”と呼ばれる老婆に導かれ、咲音はかつて家族と過ごした家に辿り着く。灰猫は不思議な行動を繰り返し、何年かに一度だけ現れる“幻の湖”の存在を語る。咲音は灰猫の過去とその願いを知り、共に行動する中で、命の脆さと力強さ、そして自分自身の生き方と向き合っていくという話。主人公の変わった名前の読み方も含めて、ややとっつきにくかった。もう一度読み直せば印象も変わるかも。文庫版では後日譚が加わり、物語の余韻が深められている。2026/04/24
乱読家 護る会支持!
4
令和2年のハードカバーを読んだ時には「再生の物語」として僕は受け取ったが、今回の文庫本では「変化の物語」として受け取った。 生きることは、「変化」の繰り返しである。変化は良き結果をもたらす場合もあるが、時に厳しい結果がまっていることもある。 しかし、人は何かを変えていかざるを得ない。なぜなら、命には限りがあるから。 他者の生と死は、私の変化を促す。 また、自分の死を見つめることも、私の変化を促す。 僕もまた目前に待ち構えている変化に備えなければならないと感じている。2024/01/04
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