ケモノたちがはしる道

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ケモノたちがはしる道

  • 著者名:黒川裕子
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 静山社(2023/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784863897625

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内容説明

都会っ子の千里は、ゲームやおしゃれに夢中の今どき中1女子。秋のある放課後、家でふだんどおり親友の理香とゲームに熱中していた千里に、母が突然、「熊本のジジさまのところへ行って、ケモノを獲ってみない?」と持ちかけた。いつもなら「行かない」と即答するところ。でもその日に限って、父に夕食の支度を手伝わされた時に見た、手羽先肉に残っていた羽に感じた違和感から、〈死んだ肉〉と〈生きた肉〉についてぐるぐると思い悩んでしまっていた千里は、思わず、「……うん」と答えてしまった。
戸惑いつつも意を決し一人降り立った熊本空港で千里を待っていたのは、生粋の〈もっこす〉の祖父=ジジだった。ジジと猟友会仲間のおじいちゃんたち、地元の中学1年生ながらすでに罠猟マニアの蒼太らとの出会いと交流、そして罠にかけられ、目の前で命を仕留められて肉と化すシカやイノシシを見るうちに、千里の中で〈命〉への思いが揺らぎ、変化していく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

73
児童書。YA。狩猟▽ゲーム配信でドラゴンをハントし、手羽先に残った羽を気持ち悪いと感じる東京っ子の千里(せんり)は、熊本の祖父に会いに行く。母から命じられての三泊四日の狩猟体験。獣の解体、死んでいくシカの瞳の色、罠にかかった大イノシシとの対面など衝撃的な体験が、千里のなかで「リアル」を意識させる▽熊本の「もっこす」ジジイと、純朴な熊本「オンチョ」な少年がとてもいい味。解体シーンもグロくなくて読みやすい。良本。2023.11刊2024/02/13

まる子

29
東京で育った中1の千里。それは晩御飯の準備をしていた時に見た手羽先に残っていた一本の羽毛。驚きのあまり落としてしまった。それがきっかけで、熊本の山にある母の実家で狩猟を経験した。そこで彼女が見たものは、「ウジ(ケモノ道」、「終わらせた命」と「生まれる肉」。人間の住む里まで出てきて害獣になるシカやイノシシ。かつては共に暮らしていた目の前の肉と向き合い、「命」と「生」を考えていく。お寿司の魚が本来の姿として見えにくいのと同じく、肉も本来の姿がある。わかってはいるだろうけれど、ものの「姿」を知る事は大切。2023/11/08

あっちゃん

22
都会育ちの今風の中1女子が主人公!熊本で狩猟をしている祖父の元での体験記、ジュニア向けらしく分かりやすく読みやすく考えさせられる(笑)そして母の過去も気になる( ̄ー ̄)2024/01/16

雪丸 風人

19
主人公は、モンスター狩りのゲームとSNSが生き甲斐という中学1年生。バーチャルの申し子のような彼女が、急遽、熊本の祖父の元を訪れることになり、濃密な数日間のなかでリアルの狩猟と向き合うことになります。新鮮な驚きの連続でした!どこにでもいそうな都会っ子の目線で、ケモノが食べ物になっていく現場を追体験できるとびっきりの一冊ですね。猟での命のやりとりには、心の奥底まで揺り動かされました。フワっとした主人公がズシリとくる現実を思い知ったあとでどのように変わっていくのか?要注目です。(対象年齢は12歳以上かな?)2023/11/04

白雪ちょこ

15
おしゃれやユーチューバーをしている、今時女子中学生、千里が主役。 手羽先に羽がついていたことにより、熊本へ猟の経験をしてみることに。 熊本弁もさることながら、牝鹿を仕留める瞬間や、手の食感の生々しさ。 見た目など、まるで自分も千里の傍にいるかのように伝わり、何かがうっと胸をこみ上げてくるものがある。 今の時代、魚も切り身だと思っているような子供達がいる中、沢山の食べ物が有り余り、命を頂いているという、その「生きている姿」を見ることこそが、今の若者には必要なのかもしれない。2024/04/12

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