内容説明
歩容解析――人間の歩き方で個人を特定する技術。顔認証を超える個人同定率を誇るシステムを開発した能勢は鉄道会社の社員に接触、警察とも関係を築く。能勢は鉄道会社が持つカメラや自動改札機のデータ、警察が運用できる市街の防犯カメラのデータを使用し「あること」をしようと画策していた……。驚愕の第44回小説推理新人賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オフィーリア
63
人間の歩き方から個人を特定する歩容解析システム「ラミダス」の開発者主人公は、母を殺害し自分を汚した男に復讐を目論む。作り込まれたシステムの設定が見どころ。復讐に用いる主人公、事件の捜査に用いる警察、事件性の無い善意の人探しに使う駅員、技術への向き合い方は人それぞれ。2024/02/15
rosetta
39
★★✮☆☆44回小説推理新人賞。自分には全くダメだった!(個人の感想です)まずリーダビリティが圧倒的に悪い。表現の指向が自分と合わず文章の上で視線が滑る。 映像に残った歩容から100%人物を特定出来るとかあらゆるカメラの映像を同時にスキャンできるとか3歳の時の記憶が鮮明に残っているとか、そんなん有り得へん無理やろ〜という設定に目をつぶるにしても。自分で作り上げたシステム「ラミダス」を人格の様に扱う主人公も気持ち悪いし、自ら鼻を潰すとか意味わからん。これ投稿したらちょっくら他の人の感想見てこよう2024/03/04
fuku3
25
2024.2.4読了。第44回小説推理新人賞受賞。遠藤秀紀氏初読み。非情に惜しい作品で有る。素材、発想、着眼点はとてもよいのだけども、それだけでは小説は面白くならない!新人作家に有りがちなだだ自分の想いを原稿用紙にぶつけただけの作品になってしまった。小説を読む側の事をまったく考えていない、構成や設定、リーダビリティはチョと酷い出来である!現役の東大教授だけに、今後の執筆活動はどうなんだろう⁉︎もっと沢山描いて素晴らしい作品を生む出して貰いたい!2024/02/04
ふう
16
第44回小説推理新人賞受賞作。歩き方で個人を特定する歩容解析。一人でこのシステムを作り上げた彼女の目的はある男への復讐。この復讐が案外重い内容で勝手にびっくりw その割に復讐自体はある意味あっさりでラストもなんかあっさり? そもそも主人公が”女を放棄した”と言う割に喋り方がものすごーくオンナっぽさ全開(それも結構ベタな古い口調)でかなりの違和感。うーんなんだかなあ。感想も「の割に」ばかりになってしまった…2024/03/07
さわ
12
歩き方で人物を特定する「ラミダス」。警察から秘密裏に未解決事件の依頼を受け、駅の防犯カメラから犯人を見つけだす。そのプログラムを1人で作り上げた能勢の目的はある男に復讐する為だけであった。一気読み。歩行のアンマッチと補正。犯人を見つける能勢の立場が逆転するところが面白いかった 2023/12/21